内容説明
衰退する地域、個人化・孤立化する若者たち。あらたな公共空間をどう創りだすのか。労働社会学、家族社会学、労働市場論、経済地理学、ジェンダー研究、教育社会学、社会教育学など異なる専門分野の研究者により10年にわたる共同研究の成果。
目次
地方に生きる若者へのインタビューが映し出すもの
「地方消滅」は若者の生活をどう変えたのか
若者の自立に向けて家族を問い直す
地方圏の若者はどのようなキャリアを歩んでいるのか
自営業という選択に立ちはだかるもの
若者が地方公共セクターで働く意味
仕事と結婚をめぐる若者たちの模索
結婚支援がもたらす成果とは
学校社会は地方と向き合っているのか
社会教育の変容が若者たちにもたらしたもの
若者が地方圏で働き暮らしてゆくために
著者等紹介
石井まこと[イシイマコト]
大分大学経済学部教授。九州大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。修士(経済学)九州大学。財団法人労働科学研究所研究員を経て、2008年より現職。専門は社会政策、労使関係
宮本みち子[ミヤモトミチコ]
放送大学教養学部教授。千葉大学名誉教授。お茶の水女子大学家政学研究科修士課程修了。博士(社会学)淑徳大学。千葉大学教授を経て2005年より現職。専門は若者の社会学、家族社会学
阿部誠[アベマコト]
大分大学経済学部教授。慶應義塾大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。専門は社会政策、労働経済論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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j080279
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福島図書館 地方の給料事情のところだけ読了。 あまりにも地方の給与が安いと分かった手取り20万円あったら結婚できるレベルとかいていてやっぱり田舎はそうやんね!と納得した。自分がネットにどくされてると感じた。 みっちりすぎるほど書いてる。読む気をなくす。 しかし言語能力が高い人が書いてるのがわかるぐらいわかりやすい文章。大学の論文レベルの密度2022/09/14
木村あきら
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①若者の地方移住が取り上げられている今、その若者が歳をとりどのようなライフコースを歩むのかの分析、議論が重要である。 社会史的に見れば興行段階では若者移行が順当に行われ男性の稼得能力を前提に結婚が行われていた。 ②農村には長男と婿待ちの女性しか残らなくなって結婚難となった過去がある ③結婚支援は成約数を成果に置くのではなく、若者たちが悩みや考えを共有できる場づくり、相談員の設置などを成果と置くべき。より多様な経験と学びを若者へ。2022/09/17
ryoma
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比較相手を、本書のように、親の時代の地方の若者とすると、今の地方は厳しいようにみえるけど、同じ時代の他国の地方部に比べると、潜在的な可能性は段違いに高いようにも思ったり。2021/09/02
ウマカラス
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データに基づいた分析が中心。地方での定番の仕事は、公務員、医療福祉系、自営業。まあ納得。2021/04/07
アキヒト
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日本の政策、特に若者支援や少子化対策などは、都会に住んでる標準的なモデルを対象にしているのではないかという疑問を今まで抱いていたところ、そのような現状が上手く説明されていて興味深かった。東北出身のため、かなり耳馴染みのあるようなインタビューが多かった。もう少し具体的で実現可能性のある政策提言まで踏み込まれていたらなおよかったと思う。2020/08/24