内容説明
「ストップ・リニア!訴訟」リニア新幹線沿線住民738人が裁判に立ちあがった!立ち木トラスト運動、土地トラスト運動、「リニア新幹線を考える登山者の会」の結成、「日本野鳥の会」の取り組み…住み慣れた静かな地域を奪われる住民や「日本最後の秘境」南アルプスの自然を守ろうとする人々の工夫を凝らした活動が始まっている。第58回日本ジャーナリスト会議賞受賞。
目次
第1章 計画前夜
第2章 空疎な「方法書」説明会
第3章 何が問題なのか
第4章 リニアは必要なのか?
第5章 土壇場での懸念の噴出
第6章 厳しい知事意見書が出ても
第7章 ストップ・リニア!訴訟
著者等紹介
樫田秀樹[カシダヒデキ]
1959年北海道生まれ。岩手大学卒業。コンピュータ関連企業勤務を経てフリーのジャーナリストに。NGOスタッフとしての活動や取材でアジア・アフリカ各地に赴く。各誌で環境問題、社会問題、市民運動、人物ルポなどを手がける。自身のブログやホームページでも多くのテーマを執筆している。『“悪夢の超特急”リニア中央新幹線』で第58回日本ジャーナリスト会議賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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coolflat
11
リニア中央新幹線計画には様々な問題が存在する。①南アルプス天然水の水枯れ問題。②南アルプスの建設残土問題。③新幹線の3倍以上の電力を消費する事から指摘される原発再稼働に繋がる可能性。④強力な電磁石の使用による電磁波の発生。⑤日本最大のウラン鉱床地帯にトンネルを開ける可能性。⑥約2兆2000億円(2015年末)の借金がある会社が9兆円もの事業に乗り出すという疑問。つまり資金ショートした場合の国民負担の可能性。⑦なぜ時速500キロでなければならないのか。そして公開討論会が一度も行われていないという問題もある。2017/01/23
Hiroki Nishizumi
2
いろいろ問題があるが、なんといっても効率の悪さは致命的かと。コロナ禍で乗客の減った今、原発前提のリニアは見直すべきだ。2022/12/21
すすき
0
リニア中央新幹線・・・・あまり感心を持たない私にとってのそれは夢の技術、夢の鉄道、そんな印象でした。でもこれを読んでいるとそんな夢のような気持ちは吹き飛んでしまいます。掲げられているい懸念は多岐にわたります。それに丁寧に答え、不安が払拭されてこそ建設に向けてすすんで行けるものだと思うのですが、現実はそうではないようです。 周囲の疑問の声に耳を傾けることなく突きすすむ事業主体の様(さま)に驚かされます。 みなさん、いちど読んでみませんか。2016/11/10
Takahide✈Yokohama
0
種々の点からリニア新幹線は作るべきではないという主張がまとまった本です。営業面からの問題については、在来線が3セクになった東北・北陸・九州新幹線開通後の収支変化を出してほしかった。過去にあちこちに書いた記事を纏め直したためか、重複する記載が目に付くのも残念。2018/07/04