内容説明
ふるさとを脱出して27年、ふたたび島へ帰りたいという想いに心は揺れる。目に見えぬ放射能の恐ろしさを身をもって体験した人びとの歴史は福島に、そして日本に、多くのことを語りかける。
目次
1 脱出
2 メジャト島での暮らし
3 被ばくとの闘い
4 思いはふるさとへ
5 ふるさとの島ロンゲラップ
6 リーボムの想い
7 ジョン・アンジャイン村長の生涯
著者等紹介
島田興生[シマダコウセイ]
フォトジャーナリスト。1939年生まれ。北海道出身。1974年から現在に至るまでビキニ原水爆実験の被ばく者の取材を続ける
渡辺幸重[ワタナベユキシゲ]
フリージャーナリスト。1951年、鹿児島県屋久島生まれ。雑誌や書籍に、教育、環境、人権、科学関連の記事を執筆(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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★YUKA★
31
言葉が出ない。人間は、どうして自分達のエゴのために地球を破壊するのか。そして、そこに住む人達の生活を壊すのか。 生活施設の整備が終わったからと、帰島を呼びかけられても、『放射能が怖いから帰りたくない』という気持ちと、『安全だというのを信じて帰りたい』という気持ちの間で揺れ動くのは当然だと思います。 政府というのは、なんて勝手なんだろう。2015/08/26
ミナ
5
美しい海と満面の笑みに似合わないタイトルに思わず手に取っていた。水爆実験というと第五福竜丸がすぐに思い出されるが、実験場の近隣の島々に住んでいた人々がいたことを始めて知った。実験の3日後に米軍がやって来て人々を移し、3年後に安全宣言をだし、帰島させた。しかし、安全ではなく、次々と病気などを発症し、愛する故郷を再び捨てさせた。当時のアメリカは同じ人だと思っていなかったのだろうか。こうした人々が、日本に故郷が安全か確かめてほしいと言っているならば支援すべきだと思う。家族で平和な生活を営めるよう協力したい。2018/11/12