内容説明
巨大な波に翻弄されたあの日、何が生死をわけたのか。人びとの記憶からあきらかになる津波の真実!沿岸部各地の被災前と被災後がわかる航空写真を収録。
目次
1 石巻市(巨大な波、劇場のむ―嫌な音に「もうだめだ」(内海橋近くで被災・菅原聖)
必死で柱にすがる―二階に逃れ不安の一夜(中央三丁目の自宅で被災・松野栄子)
車脱出し雨どいへ―漁船が激流遮り命拾い(中央二丁目で被災・高須賀昌昭) ほか)
2 女川町(避難した塔に船衝突―がれきの中を一・二キロ漂流(勤務する女川消防署で被災・野田和好)
屋上まで水位上昇―はしご登り津波耐える(観光施設「マリンパル女川」で被災・日野健一)
屋根越す大波襲う―孤独の漂流一四時間以上(女川浜のスーパー「おんまえや」で被災・木村明人) ほか)
3 東松島市(民家崩れ水中転落―濁流にもまれ体動かず(野蒜の長音寺裏高台で被災・尾形篤子)
激流、まるで滝つぼ―はりにしがみつき浮上(東名地区消防団詰め所で被災・熱海伸明)
濁流にのまれ川へ―浮遊物にすがって三キロ(鳴瀬川河口近くで被災・尾形勝) ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒラP@ehon.gohon
20
東日本大震災を忘れないために。九死に一生を得た100人の緊迫した証言に重苦しい空気感がありました。 死と隣合わせで生還した人たちの、忘れられない記憶が、再び起こらないことを願うばかりです。2023/02/25
ほっそ
7
石巻市民です。 あとがきにあった取材に関するエピソードに泣けた。文章は淡々としていますが、ここには記者さんの熱き心がありました。長時間の取材から、文章を組み立てて、本人が納得するような文章に仕上げていく。地元に密着しているからこその記事。そういう熱い心を理解してくださった、出版社の方々に感謝します。(ブログ見てください2012/12/04
Yasuhiko Ito
5
涙なくしては読めない貴重な体験記。ぜひ図書館で借りてでも読んでみてください。2017/07/31
もちお
4
一つ一つのエピソードが壮絶で、もちろんご本人は助かっているのですが、避難する際にたまたま見た人や出会った人が亡くなっていたり、行方不明になっていて、それがたまらなく辛いです。さっきまで動くのを見ていたり、助けを求めていた人が亡くなっていく、あまりにも日常とかけ離れた光景が、日常に出現したんですよね…。もし私が津波にあった場所に暮らす住民であれば、まさかここまでは来ないだろうとか、財布とか準備する為に時間を使って、絶対津波に呑まれていたと思います。お話ししてくださった方のことを思い出して、災害に備えたい。2020/12/03
わたなべ
4
震災から4年と1月が経過しましたが、この本で被災者が語る壮絶な体験は、後世に伝えなければならない事だと思います。2015/04/13
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