内容説明
労働市場の激変、ワーキングプアの急増。階層格差と貧困が日本を引き裂く…。なぜ、人びとは新自由主義を受け入れるのか。
目次
第1章 戦後思想と現代
第2章 大衆社会論争
第3章 日本型大衆社会の確立と戦後思想の特質―階級と市民の現在
第4章 大衆社会型文明への対抗―「共産主義」理念の再検討
第5章 「帝国主義」と「市民主義」の垣根
第6章 新福祉国家論序説
著者等紹介
後藤道夫[ゴトウミチオ]
都留文科大学教員。1947年福島県生まれ。一橋大学大学院博士課程単位取得退学。専攻は社会哲学・現代社会論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Mealla0v0
5
本書の主要な関心は、日本ではなぜ新自由主義に対抗する思想が生まれてこなかったのか、というものであり、戦後日本の政治体制への分析を行いつつも、基本的にはそれらの体制を根本的に批判してこなかった左派、戦後民主主義の思想的困難を痛罵する、という構成になっている。各種の分析に関しては勉強になる部分もあるが、基本的にマルクス主義的な分析枠組みが強く、正直理解に困る局面も多い。が、日本では福祉国家の代替物として開発主義国家があったという点は非常に興味深い。ただし、その分析は本書ではほとんど登場しない前提となっているが2022/06/12
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