内容説明
猫であく穴は猫でも埋まらないけど猫だけが入れるかたち。猫歌人と猫本専門店オーナーが贈る猫とのこれまでとこれから。
著者等紹介
仁尾智[ニオサトル]
1968年生まれ。猫歌人。1999年に五行歌を作り始める。2004年「枡野浩一のかんたん短歌blog」と出会い、短歌を作り始める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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スリカータ
17
猫を見送ったことがある人は、涙なくして読めない。私も昨年、老衰で19歳の猫を看取り、今年は長く腎不全の闘病生活を続けていた猫を看取った。その時の情景や心情が思い出されて、鼻の奥がツンとなった。わかるよ、確かにそうだった。長寿を全うして穏やかに老いた猫も、闘病に耐えた猫も、それぞれ愛おしい。そして、本当に不謹慎だが…人間が亡くなったことよりも哀しみが深く未だ癒えないことも、わかる。2024/07/14
宇宙猫
16
★★★★★ 目の前に猫の姿が浮かんでくるような猫の歌。自分が亡くした猫への想いと重なって、涙があふれてきちゃいます。2025/01/24
コンチャン
13
挽歌集ということで、基本的に悲しい歌なのですが、ハッとさせられたりするものも多くて、猫好きな人なら共感度の高い作品だと思います。2024/06/27
Azu
7
猫を看取ったことのある人は、たぶん号泣します。私は、初めて飼った猫を5年前に亡くしました。20歳と半年という大往生で、心が張り裂けそうに悲しかったけど「よく生きた!」という思いで、今では家族で笑って思い出話ができます。それでも、大往生だったけれど、やっぱりここに載っていた歌を読むと「そうだったなぁ」ということがたくさん詠んであって、気づいたら静かに大号泣していました。自分よりも確実に早く亡くなってしまう、小さくて愛おしい命。我が家にはまだ4匹猫がいるので、毎日を大事に過ごそうと思いました。2024/07/25
くるぽん
2
ズシンと来るほどまっすぐな歌。悲しみの最中では少しきついかもしれないので注意して読む必要はあるが、良い薬となる日がくるのだろう。かわいいだけではない、命対命の関わり。世界に同じ人がいないように同じ猫はどこにもいない。それでも生きていく人間。自分もまた平等に歳をとり老いて死ぬ。それまでは、また猫と。2025/03/18