内容説明
鉢植えの背後には、人間ドラマがある。言われてみれば、見たことある…住人たちの路上にはみだす植物愛。
目次
たむらの路上園芸鑑賞―第一部「黄昏」
たむらの路上園芸鑑賞―第二部「邂逅」(しげる DIY派園芸;あきら ファンシー派園芸;はなこ 野放し派園芸;みどり スピリチュアル派園芸)
たむらの路上園芸鑑賞―第三部「奮起」
著者等紹介
村田あやこ[ムラタアヤコ]
路上園芸鑑賞家/ライター。福岡生まれ。2010年頃より街角の園芸活動や植物に魅了され、「路上園芸学会」を名乗り撮影・記録。書籍やウェブマガジンへのコラム寄稿、イベントなどを通し、魅力の発信を続ける
藤田泰実[フジタヨシミ]
グラフィックデザイナー/イラストレーター/落ちもん写真収集家。茨城生まれ、埼玉育ち。多摩美術大学造形表現学部卒。フリーランスのグラフィックデザイナー・イラストレーターとして活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はっせー
101
ウォーキングをしていると一軒家などで路上にまではみ出して出てくる園芸がある。そのことを路上園芸と著者は名をつけた。この本は路上園芸についてまとめたものになっている!読んでみるとあるあると納得するものばかり。例えば猫よけに焼酎の4リットルボトルを並べている家。見たことある!!そしてそれに対するコメントもいい。住民の方の肝臓が大丈夫か心配。確かに。そう思うよね。路上園芸にはその人なりの想いやエピソードがある。そのエピソードを知ることにより皆さんの周りの路上園芸が愛おしくなること間違いなし!そう思いました!2022/05/04
Roko
32
路上に広がる植木鉢やコンテナでの園芸に、村田さんは興味を持ってしまいました。自分の家の前に植木鉢を並べる人だけではありません。家中にツタやブドウの蔓が張っていたりして、巨大な緑の壁になっている家もあります。街路樹の隙間になぜか植木鉢の木が混ざっていたりすることもあります。さらに驚くべきは隙間があればどんどん増えていく植物の生命力です。アスファルトの隙間でも、排水溝の隙間でも、どこから飛んできたのかわからないけれど、植物が芽を出し、花を咲かせ、また種を作り、どんどん増殖していく力に驚くのです。2022/05/11
くさてる
22
トロ箱や植木鉢、あるいはアスファルトの隙間から、喫茶店の壁を覆う蔦や鉢植えなどの、ガーデニングや庭造りとはまた違う、路上の園芸をテーマにした本。フィクション仕立てにしているのが、良いような悪いような。「路上園芸」自体はとても魅力的なテーマなだけに、それを一般化してどこの街にでもいるような「あるある」な存在にしちゃうのって、どうかな…と思いました。だってねえ、どんな花でも草でもそれが園芸ならば、そこにはそれに水をやり葉を整えるひとりのひとがいるのでは、と思うのです。2022/11/04
スイ
18
面白かった! 路上園芸、というタイトルなのだけど、人が育てているものだけでなく、気ままに育つ野生の草花にも等しく愛情深い視線を向けているのもとても良い。 ベランダ園芸を始めてから、外で植物が目に入ることが飛躍的に増えたのだけど、読後に外に出たら更に倍増した上、何だか一層クリアに見える。 レンズの性能が上がったみたいに。 ほんの近所でも、外に出るのが楽しくなって嬉しい。 フィクションの形にする必要はあったかな…?と読んでいる時は思ったのだけど、外に出て個性豊かな路上園芸を見ると、2022/05/15
kuukazoo
17
スキマに根を張り隙あらばあっという間に繁茂する都市の中の野生植物。園芸愛とズボラが路上にはみ出すカオス状態の鉢植え達。またそのハイブリッド。ずっと周りにあったそれらを「路上園芸」と名づけて発信したのはまさに「言ったもん勝ち・やったもん勝ち」。確かに蔦に覆われてたりやたら鉢植えが路上にはみ出てたり猫よけペットボトルが尋常じゃなく並べられてたりする家には誰が住んでるんだろって思う。この本ではそんな人達がキャラクター化されほのぼのした読みものになっていて楽しい。うちの枯山水プランターに今年はスミレが咲きました。2022/05/15