内容説明
昭和十年代から第三の新人へと連なる文学史試論。著者50年の思索の軌跡。
目次
文学史私見(昭和文学史試論―ありもしない臍を探す;昭和十年代作家の動向;散文におけるフレームの問題;“私研究”は不要か)
大正~昭和作家の自意識をめぐって―芥川・春夫・横光(芥川龍之介と佐藤春夫;世外人佐藤春夫と近代日本;『文芸時代』における文体意識;芥川の語り;下人は盗人になれなかった―『羅生門』小論;横光利一『紋章』―山内久内の自意識)
戦前から戦後へ―私小説的意識の系譜(戦前私小説との連続と断絶;戦後における私小説的意識―『死の棘』を中心に;『死の棘』島尾敏雄;三島由紀夫と中世;戦後文学における「第三の新人」の位置;吉行淳之介における戦後;吉行淳之介と第三の新人;安岡章太郎と太宰治;『私説聊斎志異』)
太宰治の方法と意識(『人間失格』を軸として;太宰治論;『逆行』の表現;前衛としての太宰治;迷走の四十年)
著者等紹介
鳥居邦朗[トリイクニオ]
1933(昭和8)年、静岡県生まれ。1964(昭和39)年、東京大学大学院博士課程修了。武蔵中学・高校教諭を経て、武蔵大学人文学部日本文化学科教授を務める。1989(平成16)年、退官。武蔵大学名誉教授。神奈川文学振興会評議員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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