内容説明
絶望の中で無気力にまみれた青年貴族オブローモフ。新時代の理想に燃えるシュトルツは美しき娘オリガとともに、オブローモフの生活を改めさせようとするが…。全世界の若者に影響を与えた、十九世紀ロシア文学を代表する一篇。「オブローモフ」は無用者の代名詞ともなった。
感想・レビュー
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Э0!P!
1
異色だが色々と考えさせられる素晴らしい作品だった。社会的活動の中の汚い部分を嫌い潔癖症ともいえるオブローモフ。彼の無辜で柔和な振る舞いは同じく善を愛するものたちを魅了する。彼は家の外には出ないし、社会に何ら善をもたらさないが、彼の魅力に気がついている者たちと最終的には袂を分かちながらも(交わるべきでない二つの世界にそれぞれ生きているから)大きな痕跡を残すのであった。そして彼自身も家の中にいながら安住の境地に達するのである。2024/11/24
