文藝時評大系 〈明治篇 第9巻(明治39年)〉

文藝時評大系 〈明治篇 第9巻(明治39年)〉

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  • サイズ A5判/ページ数 325p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784843316887
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C3391

出版社内容情報

わが国独自の文学批評のスタイル、「文藝時評」の全容を初めて集大成

【収録内容】
卅八年の文藝界『東京日日新聞』1月1日/新春の諸雑誌〔藝苑時評〕(白鳥)『読売新聞』1月8日/乙巳文壇を送て丙午文壇を迎ふ〔文藝時観〕(樗陰生)『中央公論』1月/文藝諸雑誌合評〔批評〕(釈雷・慶応・贔屓生)『帝国文学』1月/新年の小説(羚羊子)『藝苑』2月/毎月文壇『時代思潮』3月/恋愛文学と社会主義〔文藝時観〕(堺利彦)『中央公論』3月/文藝と問題〔文藝時評〕(長谷川天渓)『太陽』3月/時評(KT)『文章世界』4月/文藝時評〔日旺付録〕(白鳥)『読売新聞』5月26日/「坊つちやん」〔月旺文壇〕『東京朝日新聞』5月28日/「破戒」を読む(羚羊子)『藝苑』5月/小説「破戒」其他〔同心語〕『明星』5月/作家と作品 『破戒』を評す〔評論及雑録〕(設楽白虹)『新潮』5月/「運命」と「破戒」〔文藝時観〕(烟霞生)『中央公論』6月/低級文学の価値〔時文〕(後藤宙外)『新小説』6月/時評(BM)『文章世界』7月/鏡影録(藝苑子)『藝苑』8月/社会的文士を評す〔文藝時観〕(夢蝶閑人)『中央公論』9月/文藝時観『新公論』9月/文藝雑俎『藝苑』10月/小説に対する首都の勢力(生田長江)『新潮』11月/今年の文学雑誌(鵲秋子)『新声』12月/ほか

【本書の特色】
●同時代の小説・文藝評論・戯曲への現場批評である「文藝時評」を初めて集大成する。収録文は明治十年代末より昭和四十五年まで。「文藝時評」は、その時の「文壇」と密接な関係にある。文壇棲息者の生きいきとした注視と活動があってこそ、初めて同時代の現場批評が成立する。本大系には「文壇」の成立期から「文壇」と「文壇ジャーナリズム」が濃密な関係をもちえた昭和四十五(一九七〇)年までの「時評」を収める。諸機関の協力をいただき、できうるかぎり新聞、雑誌の初出原本を復刻収録する。

●「文藝時評」は、主として小説・文藝評論・戯曲を批評の対象としている。別に詩、短歌、俳句などを対象とした時評があるが、「特殊なスタイル」のものを除き割愛する。「特殊なスタイル」とは「最近の文学界」などの総題の下に「詩」を含む全ジャンルを評論したものを指す。これらは原則として全文収録する。

●明治篇、大正篇、昭和篇、全巻にわたって詳細な索引を付す。従来の作家・作品名索引にとどまらず、項目(たとえば「大逆事件」「関東大震災」、文学論争など)からも作品をたどることのできるよう工夫した。