文藝時評大系 〈明治篇 第8巻(明治38年)〉

文藝時評大系 〈明治篇 第8巻(明治38年)〉

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  • サイズ A5判/ページ数 265p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784843316870
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C3391

出版社内容情報

わが国独自の文学批評のスタイル、「文藝時評」の全容を初めて集大成

【収録内容】
新刊の雑誌と書籍〔出版界〕(時評子)『読売新聞』1月10日/新曲浦島に就ての所感〔文藝時観〕(上田敏)『中央公論』1月/浦島に現はれたる人生観〔文藝時評〕(長谷川天渓)『太陽』1月/文界所感(平出修)『明星』1月/文学界 美術界『ホトトギス』2月/文壇の新趨向〔新潮〕(橘星曄)『新潮』2月/近時文壇の好作『時代思潮』2月/二月の文壇〔文藝時観〕(孤村主人)『中央公論』3月/戯曲中の人格研究『太陽』3月/四月文壇〔文藝時観〕(孤村庵主人)『中央公論』5月/青年小説家に望む(上田敏)『新潮』6月/文明の両湊合地と戦争〔文藝時評〕(長谷川天渓)『太陽』7月/『不二山』を読む〔出版界〕(春潮)『新公論』明治38年8月/剛健なる文学の鼓吹〔月旺文壇〕(朝霞)『東京日日新聞』7月31日/独歩集を読む(竹の屋主人)『東京朝日新聞』8月22日/文壇の惰気〔論壇〕(崑崙山客)『新潮』11月/二百号の四小説を評す〔文藝時観〕(無名氏)『中央公論』12月/ほか

【本書の特色】
●同時代の小説・文藝評論・戯曲への現場批評である「文藝時評」を初めて集大成する。収録文は明治十年代末より昭和四十五年まで。「文藝時評」は、その時の「文壇」と密接な関係にある。文壇棲息者の生きいきとした注視と活動があってこそ、初めて同時代の現場批評が成立する。本大系には「文壇」の成立期から「文壇」と「文壇ジャーナリズム」が濃密な関係をもちえた昭和四十五(一九七〇)年までの「時評」を収める。諸機関の協力をいただき、できうるかぎり新聞、雑誌の初出原本を復刻収録する。

●「文藝時評」は、主として小説・文藝評論・戯曲を批評の対象としている。別に詩、短歌、俳句などを対象とした時評があるが、「特殊なスタイル」のものを除き割愛する。「特殊なスタイル」とは「最近の文学界」などの総題の下に「詩」を含む全ジャンルを評論したものを指す。これらは原則として全文収録する。

●明治篇、大正篇、昭和篇、全巻にわたって詳細な索引を付す。従来の作家・作品名索引にとどまらず、項目(たとえば「大逆事件」「関東大震災」、文学論争など)からも作品をたどることのできるよう工夫した。