出版社内容情報
全集・作品集に未収録。 幻のテキスト24選。
■043堤千代 『小指』昭和15年・新潮社 東郷克美解説
前回同様、全集・作品集に未収録の作品を集成。第Ⅱ期は吉屋信子・林芙美子など、幅広い層に支持された作家や、文学史に埋もれてしまっている作家の名品など、二四作品を集成。また、解説は、研究者・作家・評論家、それぞれ男女を問わず最もふさわしい方にお願いした。
本書の特色
★男性作家中心の文学史に隠れてしまった、近代の女性文学、女性作家の歴史を探る。
★文学的価値の高い、しかも読者や研究者の需要 が高い名品を厳選。
★個人全集や作品集から漏れ、閲覧が極めて困難な幻の稀覯書集。
★各作品の背景、作家紹介、文学的価値等を各巻の巻末に記す。
★近代文学の研究には不可欠の文献集。
★文学のみならず、女性学、女性史、社会学の研究にも必須な資料。
※著者紹介 堤千代 つつみちよ 1928(T6).9.20~1955(S30).11.11 小説家。東京牛込生れ。先天的心臓障害のため幼時よりほとんど家の中で過ごす。昭和14年に花柳界の女性の純情と心意気を描いた投稿作『小指』が「オール読物」に掲載され、ついで同誌に発表した『雛妓』『賢ちやん』とあわせ、女性としては初の直木賞を受賞。小島政二郎はその技巧を絶讃し、大衆小説の傑作と評した。その後、『再会』『柳の四季』『文鳥』などで人気作家となる。昭和30年、心臓衰弱のため38歳の若さで急逝。