出版社内容情報
全集・作品集に未収録。 幻のテキスト24選。
■035小寺菊子 『深夜の歌』昭和11年・教文社 榎本隆司解説
前回同様、全集・作品集に未収録の作品を集成。第Ⅱ期は吉屋信子・林芙美子など、幅広い層に支持された作家や、文学史に埋もれてしまっている作家の名品など、二四作品を集成。また、解説は、研究者・作家・評論家、それぞれ男女を問わず最もふさわしい方にお願いした。
本書の特色
★男性作家中心の文学史に隠れてしまった、近代の女性文学、女性作家の歴史を探る。
★文学的価値の高い、しかも読者や研究者の需要 が高い名品を厳選。
★個人全集や作品集から漏れ、閲覧が極めて困難な幻の稀覯書集。
★各作品の背景、作家紹介、文学的価値等を各巻の巻末に記す。
★近代文学の研究には不可欠の文献集。
★文学のみならず、女性学、女性史、社会学の研究にも必須な資料。
※著者紹介 小寺菊子 こでらきくこ 小説家。富山市生れ。画家小寺健吉夫人。貧苦の中で作家を志し、徳田秋声に師事。『文子の涙』『赤坂』などの作で徐々に文名を高める。明治44年、大阪朝日新聞の懸賞に二等当選した『父の罪』で脚光を浴び、「青鞜」に社員として加わり活躍。貧しく暗い少女時代や、家族を養う職業婦人の労苦など、自己の経験的なものを題材に、逆境を生きる女性の苦闘を描いた自然主義的作品を多く発表した。著書に『美しき人生』『深夜の歌』など。