目次
第1章 展望:問題の所在
第2章 経済学の構造
第3章 経済学の潮流1:静態理論の成立
第4章 経済学の潮流2:せめぎ合う理論と現実
第5章 経済学の潮流3:現実との対話へ向かって
第6章 現代の主流派経済学の抱える問題
第7章 経済社会学への道:体系化の放棄を出発点として
第8章 動態的貨幣論:貨幣循環に関する現実分析
第9章 経済通念の陥穽:利害対立に翻弄される経済論理
第10章 現実分析への一寄与:国債問題の最終解決
著者等紹介
青木泰樹[アオキヤスキ]
1956年神奈川県生まれ。1986年早稲田大学大学院経済学研究科博士課程単位取得。現在、帝京大学短期大学現代ビジネス学科教授。専門はシュンペーター研究、経済変動論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ドクターK(仮)
3
主流派経済学者たちが論理的厳密性のみに執着するあまり、現実の経済の実態を踏まえず、それどころか現実を理論に近づけるかのような政策提言まで行っている事態に著者は警鐘を鳴らす。いわゆる「構造改革」をはじめ、過去数十年にわたり、こうした考えに基づき実施されてきた政策により、現実の経済が疲弊してしまった可能性が非常に高いからである(著者はそれを「ベッドのサイズに合わせて足を切る」と表現しているが、まさにその通りだろう)。経済学の入門書・教科書的な体裁をとっているが、現実に対する深い洞察と問題意識を持った本である。2018/08/05
Yakmy
1
現実と乖離していった古典経済学から、役に立つ学問としてケインズ経済学。歴史をたどりながら、経済学がどのような点で役に立つかを解明しようとしている2017/02/12
酉井舎
0
長い本であったが、現在の主流派経済学が、現実に即していない点を述べている。理論が常に成立するとは限らない。現実を踏まえていないのだから当然である。2013/01/09