感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
きさらぎ
5
大森は安政3年、駿府で町奉行組与力の家に生まれた。戊辰戦争の際には数え13歳。勉学のため上京、箕作麟祥の下で行政法を学び、司法省に職を得、井上毅・伊藤博文らの知遇を得る。伊藤の欧州への制度調査に同行を望んだが、軍事畑から参事院に転じた山縣の補佐を命じられて残留し、白根らと共に山縣行政の重要人物として活躍する。地方自治法案の記述は逐条過ぎて門外漢には読むのが辛いが、細かい記述は流してでも通読すると、地方自治に知恵を絞る山縣と大森、法案を巡っての侃々諤々など、憲法発布前の騒然たる情勢が窺えて中々に面白い。2017/09/10
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