内容説明
物理学の理論は、自然に関する基礎概念と原理・法則の上に築かれた理論体系である。したがって個別の知識や法則を覚えて問題を解く技術を習得するだけでは本当の物理を学んだことにはならない。物理の基礎概念は物質と空間(真空)の概念である。物理学の本質を正しく学ぶためには、科学的自然観を持ち、物理学理論の体系を把握した上で、歴史的変遷を通して基礎概念の持つ意義をしっかり理解することである。物理を学ぶ人たちや物理学教育に携わる人達は、ぜひこのことを意識してほしい。
目次
序章 はじめに
第1章 古代から中世までの空間と物質観
第2章 近代科学の真空概念と物質概念
第3章 第2科学革命の始まり―相対性理論
第4章 現代科学の真空観と物質観―第2科学革命の完成
終章 科学は永遠に終わらない―第3科学革命への道
著者等紹介
菅野礼司[スガノレイジ]
1954年京都大学理学部物理学科卒業。1959年京都大学理学研究科博士課程修了、同年理学博士。1959~60年湯川奨学生として基礎物理学研究所で研究。1960年大阪市立大学理学部物理学教室助手。以後、講師、助教授、教授を経て1994年に定年退職。1994年大阪市立大学名誉教授。専門分野:素粒子論、科学論
南原律子[ミナミハラリツコ]
1980年奈良女子大学理学部物理学科卒業。1982~1983年講師として兵庫県立星陵高等学校、兵庫県立加古川西高等学校に勤務。1984年兵庫県立東播磨高等学校着任。1987年兵庫県立宝塚高等学校着任。1993年兵庫県立兵庫高等学校着任(2002年退職)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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