内容説明
本書の目的は凝縮系物理学を志す大学院生を研究の最前線へと導くことにある。凝縮系理論では場の量子論の重要性が一層増す傾向にあり、このために修得が必須とされる場の理論の現代的手法‐第二量子化、汎関数積分、平均場理論、協力現象、繰り込み群、トポロジカルな手法などを豊富な物理的応用例とともに解説する。各章の議論は理論の数学的な構造を明確にすることに重点を置きながらも、常に実験的な事実に根ざしたものとなるよう工夫されている。下巻では、乱れた系を含む広範な適用例を通した繰り込み群の考え方の説明に続いて、近年著しい発展を見せるトポロジカルな研究手法の詳しい解説にあてられ、本書の特徴が最も際立つ部分と言える。類書にないユニークな内容は、大学院生の他、第一線の研究者にも有用な示唆を与える。
目次
第8章 繰り込み群(1次元Ising模型;散逸的な量子トンネル現象;繰り込み群:一般論;常磁性・強磁性転移の繰り込み群解析;非線形σ模型の繰り込み群解析;Berezinskii‐Kosterlitz‐Thouless転移;まとめと展望;問題)
第9章 トポロジー(例:リング上の粒子;ホモトピー;θ項;Wess‐Zumino項;Chern‐Simons項;まとめと展望;問題)
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