内容説明
本書においては、相対論的な場の量子論の基本的な構成がスケッチされるとともに、そこにおける主要な計算方法である共変的な摂動論の基礎が、幾つかの具体的な計算例とともに丁寧に解説されている。これまで自分ではペンを持ち計算をしたことのない学生でも、本書に従ってゆっくりと進んで行けば、摂動計算の基本的なテクニックを身につけることが出来る。場の量子論の修得を目指す学生なら誰もが読む必要のある本格的教科書をフルコースに例えるなら、本書は上記の内容に的を絞り込んだ軽いサンドウィッチといったところだろう。両者が相補的に活用されれば一層の学習効果も期待出来る。また、場の量子論に現われる各種の場の演算子についてのいろいろな公式がまとめられているので、実際に研究現場にいる方々にも「場の量子論・摂動計算の公式集」としての利用価値があるだろう。
目次
1 古典力学から場の量子論へ(古典力学のラグランジュ形式:解析力学;古典場のラグランジュ形式:場の解析力学 ほか)
2 摂動計算の基礎と場の演算子(摂動論で計算する量;場の理論でのS行列 ほか)
3 ファインマン則と計算の具体例(共変摂動論での不変散乱振幅;散乱断面積および崩壊幅の計算)
付録(ローレンツ変換と共変・反変ベクトル;ウィックの定理 ほか)
著者等紹介
日置善郎[ヒオキゼンロウ]
1951年7月岐阜県(郡上八幡)に生まれる。岐阜北高から京大理学部を経て、1980年京大大学院博士課程修了(理学博士)。同年学振奨励研究員(京大基礎物理学研究所)。1984年徳島大学教養部講師。1986年日米科学技術協力研究員(スタンフォード大学)。同年独・フンボルト財団研究員(マックス‐プランク研究所)。1994年同研究員(ミュンヘン工科大学)。徳島大学総合科学部教授。専攻は理論物理学(素粒子論)
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