内容説明
著者の豊富な経験に基づいて独自の視点から再構成した、固体物理学の新しいタイプの教科書である。学部学生や大学院生を対象としているが、高度な内容が含まれているにもかかわらず、初等的な電磁気学、波動力学、量子力学の知識だけで十分読みこなすことが出来る。教育的な観点から、固体物理学の重要な概念や考え方が理論的かつ明瞭に説明されていて、その数学的手法も初等的なレベルから段階を踏んでいる。また、理論的な説明だけでなく、これに対応した実験による測定値やグラフもバランスよく載せられている。なお、本文中や各章末に豊富な参考文献(教科書、総説、論文)が紹介されていて、さらに詳しく調べようとするときには非常に役立つ。その意味で、本書は研究者にも有用である。
目次
第1章 1次元周期ポテンシャル中の電子
第2章 結晶の幾何学的な記述:結晶格子と逆格子
第3章 ゾンマーフェルトによる金属の自由電子理論
第4章 1電子近似と近似を越えて
第5章 結晶のバンド理論
第6章 いくつかの結晶の電子的性質
著者等紹介
安食博志[アジキヒロシ]
1996年東京大学大学院理学研究科博士課程修了(理学博士)。1996年大阪大学大学院基礎工学研究科物理系専攻物性物理科学コース助手。2002年カリフォルニア大学サンディエゴ校客員研究員。2003年大阪大学大学院基礎工学研究科物質創成専攻物性物理工学領域助手。現在に至る。専攻、物性理論、メゾスコピック系の光学応答、カーボンナノチューブ
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