内容説明
本書は、S.Glashowと共にSU(5)に基づく素粒子の大統一理論を初めて構築した著者H.Georgi自身が、その研究の苦闘の中から体得した豊富な実践的知識にもとづいて、リー群の全貌を平易な物理学者の言葉で解説したものである。簡単な量子力学系からアイソスピン、そしてSU(5)やSO(10)に基づく大統一理論に至るまで、物理学からの豊富な実例を上げながら、リー代数とその表現論を説明してゆく手際は見事である。読者は量子力学の初等的知識さえあれば、三次元回転群SO(3)から、一般の古典群SO(n)、SU(n)、Sp(n)、そして例外群までを容易に理解でき、最後にはそれら全ての単純群を本当に身近な道具として使えるようになるだろう。
目次
群と表現
リー群とリー代数
SU(2)
テンソル演算子とWigner‐Eckart定理
アイソスピン
根と重み
SU(3)
単純根
さらにSU(3)
テンソル法
ハイパーチャージとストレンジネス
ヤング図
SU(N)
3次元調和振動子
SU(6)とクォーク模型
カラー
ハドロンの質量と重いクォーク
統一理論とSU(5)
古典群
分類定理
素粒子物理学におけるリー代数〔ほか〕