内容説明
1989年春、二人の著名な化学者が、試験管の中で常温核融合を達成したと発表した。核融合はこれまで何十年もの間、多勢の物理学者と技術者が巨大な設備と膨大な費用をつぎこんで未だ達成できずにいる夢のエネルギーである。それと二人の化学者が試験管の中で、それも常温でやってのけたというのである。すなわち「比較的簡単な実験の結果、数世紀来の人類の夢であった安全でクリーンで豊富なエネルギーが間もなくもたらされるかも知れない」と言うのだ。本書はこの事実関係の背景から説き起こしエネルギー問題や環境汚染の問題まで視野に入れながら、核融合に関連する諸問題を平易に解説し、問題点を明らかにする。
目次
第1章 ユタの爆弾発言
第2章 太陽のエネルギー
第3章 ミューオンを触媒とした核融合
第4章 ユタの方法
第5章 確認と否認
第6章 常温核融合…太陽から地球へ
第7章 常温核融合の意味するもの
付録(放射と放射能;ユタ大学の核融合槽;ブリガムヤング大学の核融合槽)
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