内容説明
有限要素法に代表される計算力学は、いまや工学のあらゆる分野でなくてはならない道具となっている。計算力学の特徴はいろいろな力学現象を定量的に評価できる能力にあり、それは厳密な力学理論と高精度・高効率の数値解析アルゴリズムによって達成されている。人間の脳の神経回路を数学的にモデル化したニューラルネットワークは、学習・推論能力を工学的に容易に実現する手段として注目を集めている。計算力学分野において、ニューラルネットワークの有する学習・推論能力がどのように役立つかを直感的に言えば、計算力学に“やわらかさ”を付与したり、“知的な処理”を実現できるということである。計算力学の基盤応用分野の一つである材料力学の諸相においても、ニューラルネットワークを適用し、“やわらかさ”を付与したり、“知的処理”を実現することにより、従来は困難であった様々な課題を克服できるものと期待される。本書は、平成5年から平成7年度の文部省科学研究費の総合研究「非均質構造材料の設計・評価・モデリングへのニューラルネットワークの応用」で行われた研究成果を中心として、最近の材料力学分野へのニューラルネットワークの適用事例をまとめたものである。
目次
複合材料の破壊
傾斜機能材料の破壊
複合材料の損傷評価
超音波非破壊検査
電位差法による非破壊検査
ニューロ逆問題における適切化
ニューラルネットワークによる非弾性材料応答のモデリング
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