内容説明
ペリー来航に際しては大統領親書を翻訳し、医学や西洋文明を紹介した美作国(岡山)津山藩の洋学者箕作阮甫の眼を通して、周辺の学者や家族たちとの知られざる交流を描く。
著者等紹介
市原麻里子[イチハラマリコ]
昭和36年、鳥取県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒業。平成10年、「天保の雪」で、第22回歴史文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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浅葱@
8
幕府天文方の蕃書和解御用掛(ばんしょわげごようがかり)=外国語の翻訳を手がける専門機関。ペリーの率いる軍艦4艘が退去した頃、そこに召し抱えられたのが、津山潘の箕作阮甫(みつくりげんぽ)である。鎖国から開国への途(みち)、国の変化の現場で一番先に外国からの文書に触れる翻訳掛。幕末の動乱の前の外交に関わる者たちを描いている。阮甫に始まる天文方、翻訳に関わる人物たちはかなりコアな人材が広がる。そして蕃書和解御用掛を勤めるということは、海外事情や技術、地理を学び外交を考えることにつながる。→2013/05/14