死と飛躍・有島武郎の青春―優等生からの離脱

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  • サイズ B6判/ページ数 422,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784842100098
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C3095

内容説明

…僕は、なぜ生きているのだろう。…僕が生きていることには、何か、意味があるのだろうか。我々の多くが、こうした問いに向かい合いながら、青春を出発させてきた。しかし、誰が、この問いに答えられただろう。本書は、日清戦争の直後に、札幌農学校で青春を迎えた有島武郎を考えようとするものである。特権階級の優等生だった有島武郎も、我々と同じように、この「問い」に向かい合いやがて、自殺未遂を経て、優等生から離脱する道を歩むようになっていった。有島の、優等生から離脱するエネルギーは、いかに生まれたのか。問題を、「性格」や「影響」の考察などに、解消してしまわず、あくまでも、有島の精神の展開軸を追うことによって、我々自身の「問い」への視座をも、発見。

目次

1 優等生からの離脱―虚構の準備過程(札幌へ―明治特権階級の優等生;インサイダー・優等生からの出発;札幌―思念深化の加速装置 ほか)
2 死と飛躍―虚構の成立過程(自己・世界虚構化の進展;死の導入と飛躍―自殺未遂事件の考察)
3 悪現実への宣戦―虚構的世界の確立(イデオロギーとしてのキリスト教;虚構的世界誕生直後の緊張期―第一段階;虚構的世界安定化の過程―第二段階 ほか)

著者等紹介

栗田広美[クリタヒロミ]
1948年、東京に生まれる。早稲田大学第一文学部・ロシア文学専修卒業。東京都立大学大学院・国文学専攻修士課程修了、博士課程中退。鹿児島短期大学助教授を経て、現在、白梅学園短期大学教授。(1985年度)ハーバード大学訪問研究員。博士(文学)
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