内容説明
アウシュビッツ、広島、ベトナム、核兵器…、20世紀における大量虐殺がつきつける〈死と再生〉という問題を一貫して追究しつづけているリフトンの仕事は、20年来、日本の読者を惹きつけてきた。本書では、彼のその思想と方法の到達点を、個別深層心理学をこえた心理―歴史的視座のもと、象徴理論、社会生物学、現代文学を駆使して、力強く展開する。
目次
第1章 心理学的科学におけるパラダイム
第2章 死と連続性について
第3章 基本的な心理過程―分析から自己形成へ
第4章 歴史と想像力
第5章 創造者としての生存者(アルベール・カミュ―もの静かな生存者;カート・ヴォネガット―死を相手に行われる義務の舞踏;ギュンター・グラスの小びとのドラマー―グロテスクなものの認識;ポルノグラフィ的対決;世界の終末という〈イメージ〉)
第6章 再活性化の諸形態
第7章 提唱―パラダイムのなかの人間