内容説明
あの魔の火曜日のことは、なにからなにまで思いだせる。どんなこまかなことでも―。12歳の少年ダンが体験した、一夜の自然の脅威、それは、家も、庭も、町も、なにもかも破壊しつくして去っていった。幼い手で弟を守り、必死の思いで脱出したダンが目にしたものは―?そして何もなくなったとき、いつもはみえないものがみえはじめた。少年が体験した恐怖の一夜。アメリカを舞台にした愛と冒険の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶんこ
29
実話を基にした物語。アメリカでの竜巻被害状況を読んでいると、どうしても津波被害が思い出されてしまいます。大規模な被害にあってすぐ、大統領たちトップがヘリコプター視察し、実際の被害状況を目の当たりにする事の重要性がヒシヒシと伝わりました。トップに立つ人が「隣の出来事」とは思えなくなる。何とかしなくてはと苛立つくらいになるのは、目の当たりにしてこそでしょう。12歳のダンが「何が無くなっても、愛している人たちさえいれば、やっていけるものなんだ」と実感するところでは胸が詰まりました。2016/05/08
ジュースの素
6
米、ネブラスカ州はたつまきの多い所だと言う。12歳のダンは親友のアーサーを呼んで今夜は泊まって行けと言う。父や母はそれぞれ用事で出ている。ダンの弟はまだ赤ちゃんだ。サイレンが鳴り台風並みの凄い風雨となり、地下室にチビを連れてアーサーと籠る。その夜に来たたつまきは非常に大きくて町の家々はつぶされた。いつもはうるさい赤ちゃんを守ること、父母の安否を気遣う事、生きてる事自体が嬉しいこと。大変な目に遭いながら少年はいろんな大切な事を自然に学んでいく。素晴らしい物語だった。2016/04/25