感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やまはるか
9
訳詩のため韻律が弱く詩を読む興に乏しいが、その場所に連れ出して共体験させるような力強い詩もあった。「ああ孤独よ おまえとともに生きていかねばならないのなら この乱雑に積み重なる薄暗いビルディングの中に 同居するのはよそう 俺と共に山を攀じり―大自然の展望台だ―峡谷を見ようよ 花咲く稜線 渓流のクリスタルのうねり動きが 指呼に入ってくる所。夜眠らないのであれば 樹々を天蓋にしようよ」キーツがどれ程登山をしたか分からないが、木の下でビバークする情景まで謳われている。こちらが山好きだから抱く感慨かも知れないが。2020/11/16
風花
7
【再読】ラファエル前派の画家、J・W・ウォーターハウスの、一番好きな絵のモチーフがキーツの詩『つれなき美女』であると知り、随分前に購入したもの。ウォーターハウスの画集を見ながらキーツの詩を読むのが長年の夢だったが、少し前に、その念願の画集を購入したので再読した。伝説や神話を題材にした作品も多く、詩でありながら物語を読むように情景が目に浮かぶ。『つれなき美女』に描かれる死の世界は、とても甘く残酷で美しい。2016/09/10
ききモン
1
もとなおこ先生の漫画で知った詩人ジョン・キーツの詩集。キーツの詩は花とか木とか鳥とか自然での表現が多く、きれいな詩だなと思った。あまり詩を読んだことがないので、深く解釈していくことはできなかった。でもこの詩集のなかだったら私は「秋に」が好きだ。ああ秋だなと、夏が終わって冬になるんだととてもわかりやすい詩だった。2017/12/20