感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
王天上
9
いいなあ。シュールだけど、平明な言葉で書かれているので、するりと頭に入ってくる。「海に住む少女」などの小説も詩的で面白いので、お薦めです。2013/03/23
兎乃
6
昨夜の読書。静かな海辺 寄せてはかえす波のように。静かに。静かに。頁をめくりながら深い眠りへ。2012/07/21
きゅー
4
彼の詩には死者がよく登場する。しかし、彼らは生者に恨みを抱いたり、生に固執することもなく、あたかも何も問題なく生きているように振る舞う。 そして同じく彼の詩では、過去や未来も現在と同じように語られることがある。つまりは、私たちが当然のことと考え区別している出来事、物事が、彼の詩の中では渾然一体となっていることに気付かされる。彼の詩を読んでいると、透明なグラスに波々と液体が満たされるように、イメージが心の縁に満ちてくる。心が揺れていては安心して読めない。だから静かな時間にゆっくりとページを開きたい作品だ。2011/11/25
龍國竣/リュウゴク
3
詩集によって受けるものは其々異なる。都会的なものと郷愁と共に想像力を刺激するものから、真理を追究するものまで。唯、何れも鋭敏で言葉の一つ一つに澄み渡るような青さがある。これは訳者の堀口大學に因る所もあるだろう。広大で、見上げている者に驚きをもたらす。 2012/09/01
鮎川玲治
2
海や死者といったイメージが濃厚に表現されているが、しかしそこには陰惨さや暗さといったものはほとんど感じられない。巻末近くに収録されている散文詩のうち「善意爆弾」「羊三頭つれた後家さん」が印象深い。2020/06/21
