内容説明
ヒマラヤ北方に位置する広大なチベットの地には、古くから独特の民話が伝えられてきた。親から子どもへ、時代から時代へ、活きたコトバで語り継がれてきたチベット民話は、日本や欧米の民話と異なり、現在でもほとんど文章に残されていない。本書は、口承でのみ伝わるチベット民話より、東部カム地方の代表的なものを28話収録した。
目次
ネズミの王さまの恩返し
おじいさんの三つのお話
三姉妹
伝説の巨人メマエ
妖精になったワンモ
王さまと泥棒
ローグートュップの物語
仏さまと宝石
魔女カルマ・ツェリン
カエルと王さま
魔女の涙
泥棒とペテン師
大臣の息子クンガの冒険
ひとを盗んだ泥棒の話
王さまになった少年の話
キツネにだまされた老いぼれ羅刹
センゲの運命とサンゲの運命
貝がら王女のカルマの話
尼僧の息子
ワンディと宝物
紙の花
トラのいけにえ
魚が笑った話
魔法の杖
王さまになった雨乞い師
タシの悪知恵
センゲと悪魔
三人の息子
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ワタナベ読書愛
0
1993年刊行。1950年代、筆者が子どもだった頃は大人が物語を子どもたちに語ってくれていた。そのチベットの昔話を収集し編集した物語集。農民、魔女、僧侶、王侯貴族、動物など様々な登場人物が躍動する、手の込んだ話。現実と異界の境目が曖昧で、すぐに不思議なことが起きる。人間のいろんな側面をしっかり洞察した深い話も多く、読み応えがある。話が純粋に面白いので、どんどん読み進めてしまう。教育的な内容もあるが、大変な皮肉もあり、百花繚乱。毎晩、物語を楽しみにしていた子どもたちの気持ちがよくわかる。丁寧に作られた良書。2021/08/10
-
- 和書
- 現代ミクロ経済学 〈1〉