出版社内容情報
《内容》 本書は、2002年版の姉妹書。グラフによるコンパクト化とひと目でわかるといった利便性はそのままに、有効性を比較する指標を変えて表示しています。精神科領域における薬物治療の参考としてご活用ください。(※2003年版では、有効性を比較する指標についてランダム効果を用いて表示しています。)
内容説明
向精神病薬の代謝酵素の一つであるCYP2D6の酵素活性欠損者の頻度は日本人では1%にも満たないのに欧米人には約7%にみられます。また、3級アミン3環系抗うつ薬やジアゼパムの代謝に関与するCYP2C19の酵素活性欠損者の頻度は欧米人が約3%であるのに対し、日本人には約20%にみられます。代謝酵素活性にもこのような違いがみられるように、海外文献で示されている向精神薬の有効性のデータが必ずしも日本人の精神疾患患者に同じようにあてはまるとは限りません。日本人の治療には日本人のエビデンスに目を向けて治療に取り組むべきです。2003年版は、わが国における向精神薬のエビデンスの全貌をランダム効果モデル・相対リスクでグラフ表示したものです。
目次
第1章 向精神薬の薬効比較(統合失調症治療薬;錐体外路症状治療薬;気分障害治療薬;神経症性障害治療薬;睡眠障害治療薬;麻酔前投薬)
第2章 メタ解析による薬効比較(統合失調症治療薬;錐体外路症状治療薬;気分障害治療薬;神経症性障害治療薬;睡眠障害治療薬;麻酔前投薬)
著者等紹介
稲田俊也[イナダトシヤ]
名古屋大学大学院医学系研究科細胞情報医学専攻。脳神経病態制御学講座精神生物学分野助教授。大阪府生まれ。慶応義塾大学医学部卒業。同医学部付属病院、社会福祉法人桜ヶ丘保養院(現桜ヶ丘記念病院)、米国ミシシッピ州立大学メディカルセンター、国立精神・神経センター精神保健研究所を経て2002年6月より現職。1994年6月に第19回国際神経薬理学会においてRafaelsen賞を受賞。1994年6~9月に米国ハーバード大学医学部精神科マックリーン病院に留学。現在の主たる専門領域は臨床精神薬理学、分子精神医学
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