菊池寛現代通俗小説事典

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  • サイズ A5判/ページ数 390,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784840697613
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0593

出版社内容情報

文壇の大御所が描いた大正・昭和の物語世界を徹底的に再現本書は、「真珠夫人」から始まった菊池寛の「現代通俗小説」と呼ばれる大正から昭和戦前にかけて発表された長編小説46作品を理解するために、必要な情報をまとめたものです。それぞれの作品の最初に初出情報と初版・初刊本、舞台化・映画化状況を記した「書誌」示した上で「登場人物相関図」「あらすじ」「キーワード」「解説」の項目を記し「ビジュアル資料」として作品理解を助ける当時の貴重な写真とその解説を掲げることで「多角的でわかりやすく」をモットーに編集しました。
「第二の接吻」「東京行進曲」「貞操問答」など、これらの作品のすべては掲載された新聞・雑誌は販売部数を大幅に伸ばしました。さらには映画や新派劇の原作となり、多くの観衆が劇場に足を運びました。メディアミックスの最も早い事例ともいわれ、当時の大衆の歓心を買い、菊池寛が文壇の大御所といわれる所以となりました。
菊池寛が「現代通俗小説」の舞台として選んだのは、当時の大衆があこがれる新奇で都会的な風俗です。具体的には、自動車・音楽・旅行・スポーツ・飛行機・料理店や、新しく出来上がったランドマークなどが中心です。そして物語は、若い男女の恋愛を軸として執筆されます。そして、二人を親族不和・社会的格差を伴う社会的状況の元において、友情・信頼・裏切り・嫉妬・復讐・懺悔・のぞき・秘密露見・妊娠・出産・別離・などを絡めて、次号が待ち遠しく思うようなストーリーで進められます。これがその時代の読者・観客を熱狂させました。本書は、「読めば必ず為になり、面白い」戦前の日本文化研究の最良の素材として必要不可欠な菊池寛の「現代通俗小説」の手軽なガイドブックであるとともに、戦前のモダン文化研究書に必備の書です。


片山 宏行[カタヤマ ヒロユキ]
青山学院大学教授。【主な著作】『菊池寛の航跡―初期文学精神の展開―』(和泉書院・1997年)、『菊池寛のうしろ影』(未知谷・2000年)、『真珠夫人〔本文篇・注解考説篇〕』(翰林書房・2003年)

山口 政幸[ヤマグチ マサユキ]
専修大学教授。【主な著作】『日本作家一〇〇人 谷崎潤一郎』(勉誠出版・2004年)、「秋田に行く今西栄太郎―『砂の器』における取材」(日本文学風土学会編、『日本文学の空間と時間』勉誠出版・2015年)

若松 伸哉[ワカマツ シンヤ]
愛知県立大学准教授。【主な著作】「芥川龍之介の影―石川淳「普賢」と安吾・太宰」(『説林』64・2016年)、「再生の季節―太宰治「富嶽百景」と表現主体の再生」(『日本近代文学』84・2011年)

掛野 剛史[カケノ タケシ]
埼玉学園大学准教授。【主な著作】『戦間期東アジアの日本語文学』(共編著、勉誠出版・2013年)、「文壇醜聞と友情―薄田泣菫と平尾不孤」(『文学』17‐3・2016年)

目次

事典篇(系譜とパターン;菊池寛「現代通俗小説」の沃野―「代作問題」をふまえつつ)
資料篇(連載小説論;単行本書誌;舞台化作品年表;映画化作品年表)

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