出版社内容情報
《内容》 感染制御の実践に必要な知識を、基礎の基礎からわかりやすく解説している。SARS、ウエストナイル熱などの発生をふまえ、2003年に施行された改正感染症法にも言及。感染制御、特に病院感染および在宅感染のための消毒法や各種措置などが習得できる。
《目次》
第1章 感染症とは
I．感染と発症
II．感染成立の要因
1）感染源（病原因子）：virulence factor
2）宿主（防御因子）
3）感染経路（環境因子）
III．感染症と病原微生物
1）感染症の変貌
2）感染症の分類
IV病院感染、新興感染症、再興感染症
1）病院感染（hospital infection，nosocomial infection）
2）新興感染症・再興感染症
V．感染症新法（種類と疾患名）
第2章 病原微生物のあらまし
I．微生物学のあゆみ
II．微生物の概要
1）微生物の性状の主な相違点
2）細菌と真菌の相違点
III．細菌の形態と基本構造
1）細菌の形態
2）細菌の基本構造
IV．細菌の染色
1）染色法
2）観察
3）細菌の表層構造の特徴
V．細菌の増殖環境（発育に適した環境）
細菌の栄養
培地
細菌の培養環境
細菌の培地
第3章 感染症の診断
I．細菌学的診断（原因菌の検出）
1）検査材料からの菌の分離
2）簡易同定手順
3）菌種を鑑別・同定するための検査
4）各菌種の血清型別
5）検体より分離された菌が原因菌であるかの見分け方
II．免疫学的診断
抗原物質の検出
抗体の検出
III．遺伝子診断
1）DNAプローブ法
2）PCR法（polymerase chain reaction method）
第4章 感染症の予防と治療
I．滅菌・消毒法
1）滅菌、消毒の定義
2）感染リスクと処理レベル
3）滅菌法の種類
4）消毒法の種類
5）消毒薬の抗微生物スペクトル
6）消毒薬の適用対象
7）手洗い法
8）消毒法の実際
II．抗菌薬・化学療法薬
1）はじめに
2）化学療法薬・抗菌薬とは
3）抗菌薬の種類
4）抗菌薬の抗菌スペクトルと抗菌薬の特徴
5）抗菌薬の作用点
6）耐性菌の耐性機作
7）選択毒性と副作用
8）感受性検査の方法と成績の読み方
9）薬剤耐性
III．免疫予防
1）特異的防御機構
2）ワクチン
第5章 細菌各論
I．グラム陽性球菌
1）ブドウ球菌属：Genus Staphylococcus
2）レンサ球菌属：Genus Streptococcus
II．グラム陽性桿菌
1）グラム陽性有芽胞菌
A．好気性菌
B．嫌気性菌
2）グラム陽性無芽胞菌
3）抗酸性菌
III．グラム陰性球菌
IV．グラム陰性桿菌
1）腸内細菌科の菌種
2）インフルエンザ菌：Haemophilus influenzae
3）百日咳菌：Bordetella pertussis
4）緑膿菌：Pseudomonas aeruginosa
5）レジオネラ菌：Legionella pneumophila
6）カンピロバクター・ジェジュニ/コリ：Campylobacter jejuni/coli
7）ヘリコバクター・ピロリ：Helicobacter pylori
8）ビブリオ科：Vibrionaceae
V．スピロヘータ属
1）スピロヘータ属の特徴
VI．マイコプラズマ属
マイコプラズマ属の特徴
VII．リケッチア
リケッチアの特徴
VIII．クラミジア
クラミジアの特徴
第6章 真菌
1）真菌の特徴
真菌の形態
真菌の培養
真菌症
抗真菌薬
第7章 ウイルス
1）ウイルスの特徴
ウイルスの分類
主要ウイルスの臓器親和性
ウイルス感染
感染症新法におけるウイルス感染症
ウイルス感染症
ウイルス感染症の診断
ウイルス感染症の予防
9）ウイルス感染症の治療
第8章 原虫
原虫の特徴
原因原虫名と疾患
各論
第9章 プリオン
プリオン（prion）とは
プリオン病
第10章 資料
資料1．病院感染に関連する注意すべき微生物
資料2．メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症
資料3．肺炎球菌
資料4．腸球菌の薬剤感受性
資料5．主要グラム陰性菌
資料6．ペスト菌の細菌学的特徴と薬剤感受性
資料7．緑膿菌―臨床上注意すべき弱毒菌
資料8．日和見感染の現状と今後
資料9．院内感染制御の実際―伝播経路の遮断
目次
第１章 感染症とは
第２章 病原微生物のあらまし
第３章 感染症の診断
第４章 感染症の予防と治療
第５章 細菌各論
第６章 真菌
第７章 ウイルス
第８章 原虫
第９章 プリオン
第１０章 資料
著者等紹介
辻明良［ツジアキヨシ］
東邦大学医学部教授。１９４４年生まれ。１９６６年３月京都薬科大学卒業。１９６６年４月鳥居薬品株式会社入社、研究部勤務。１９６８年５月東京大学伝染病研究所研究生修了。１９７０年３月京都薬科大学大学院修士課程修了。１９７７年３月東邦大学医学部微生物学教室研究生修了。１９７７年４月東邦大学医学部助手。１９８０年１月医学博士号取得。１９８０年９月東邦大学医学部講師。１９８３年１０月ＵＣＬＡ留学。１９８７年１０月東邦大学医学部助教授。１９９４年１０月東邦大学医療短期大学教授。２００２年４月東邦大学医学部看護学科教授。現在に至る。その他、東邦大学理学部・薬学部、東邦大学佐倉看護専門学校、成田赤十字看護専門学校、日本看護協会・看護研修学校等で教える。日本化学療法学会理事、日本環境感染学会理事。日本感染症学会評議員、日本臨床微生物学会評議員、日本防菌防黴学会評議員。抗菌薬臨床試験指導者（日本化学療法学会）。インフェクションコントロールドクター。１９８７年４月、「実験的混合感染における感染菌力の変動と解析」で日本感染症学会賞である第３１回二木賞を受賞
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