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内容説明
「六月になったら、わたしは消えるから」転校生にしてピアノの天才・真冬は言い放った。彼女は人を寄せつけずピアノも弾かず、空き教室にこもってエレキギターの超速弾きばかりするようになる。そんな真冬に憤慨する男子が一人。大音量でCDを聴くためにその教室を無断使用していたナオは、ベースで真冬を“ぶっとばす”ことにより、占拠された教室の奪還をめざす。民俗音楽研究部なる部活の創設を目論む自称革命家の先輩・神楽坂響子とナオの幼なじみ・千晶も絡みつつ、ナオと真冬の関係は接近していくが、真冬には隠された秘密があって―。恋と革命と音楽が織りなすボーイ・ミーツ・ガール・ストーリー。
著者等紹介
杉井光[スギイヒカル]
1978年、東京生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まりも
74
粗大ごみの投棄場所で出会った少年と少女が織り成す王道青春作品。目の前で演奏されているかのような臨場感のある演奏シーンが最大の魅力ですね。音楽に詳しくなくてもグイグイ惹きこんでくる力があります。音楽描写だけでなく、徐々に変化していく二人の距離感の初々しさ、脇を固める個性的なキャラとの掛け合いと作者の長所が最大限に引き出された作品じゃないでしょうか。真冬も可愛くて好きだけどそれ以上に幼馴染の千晶がお気に入りです。次巻も期待。2015/02/05
よっち
70
ナオがお気に入りの粗大ゴミ捨て場で出会ったピアノを弾く少女真冬。転校生として再会した彼女は、エレキギターを弾くためナオが利用する廃校舎の部屋を占領してしまうボーイ・ミーツ・ガールな物語。ナオも鈍いしちょっとズレてるんだけど、部屋の奪還を賭けた勝負をきっかけに、心を閉ざしていた真冬と、音楽を通じて、そして行動を共にして少しずつ心を通わせていく描写がいいですよね。自称革命家の神楽坂先輩もいい具合にかき回してくれるし、幼馴染の千晶も好きなキャラです。ベタで王道な作品ですがテンポも良くて、今読んでも面白いですね。2014/08/04
そのぼん
63
ガラクタが棄てられている場所で謎の少女と出会った少年が紡いでいく物語ー。音楽がメインになっており、楽器を演奏する人たちの気持ちが何となく解りそうな作品でした。2013/01/11
オセロ
45
【KU】自分がボーイ・ミーツ・ガールが好きということもありますが、最高でしたね。物語的には序章といったところなのでしょうが、王道とも言えるストーリーにグイグイと引き込まれていきましたし、徐々に可愛いところを見せる真冬だけでなく、幼なじみの千晶やナオに手を貸す民族音楽研究部の響子先輩も魅力的。これは続きがとても楽しみです。2024/12/14
芳樹
38
『楽園ノイズ』の感想を書いたときに読友さんから激推しされ入手したものの、長いこと積読本になっていましたが、読み始めたら大はまりでラストまで一気読みでした。これは確かに傑作ですね。初版発行が2007年11月なので、スマホじゃなくて携帯電話だし交通系ICカードも未普及、と背景に時代を感じますがストーリーは全然色褪せていないのが素晴らしい。王道のボーイ・ミーツ・ガール学園青春もので、今回は作品全体の導入部という感じでしょうか。ヒロイン3名の魅力が違う方向に尖っているのがまた良いですね。読み進めるのが楽しみです。2023/08/14