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内容説明
“君の胸の奥のその「動機」とやらは、実は空っぽなんじゃないのかい…?”ブギーポップに復讐する。ただし誰のためでもなく、己自身のために―その執念に取り憑かれた少年が、内気な少女織機綺と共に“牙の痕”と呼ばれる地に足を踏み入れた時、混迷は幕を開ける。メビウスの輪のように表裏も定かでない異界に迷い込んだ二人の前に現れたのは、心の闇から顕れた爆弾の群と、鬼とも人ともつかぬ奇妙な子供“ブリック”だった―己の迷いに気づけない少年と、迷いの弱さに悩んでいる少女と、何処に行くべきかさえ知らぬ魔物が彷徨う―そこは境界。果てなき虚空と、儚き想いとの狭間に位置する迷宮に“破壊”が渦を巻くとき、死神が人に告げる言葉は断罪か、赦しか、それとも―。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
眠る山猫屋
44
再読。織機綺と蒼衣秋良が巻き込まれた異空間。統和機構が怖れた四つの爪痕のひとつが巻き起こす時空の歪みをさ迷う二人。ブギーポップはブギーポップらしく狂言廻しを演じるが、締めるところはあっさり締めてくれる。蒼衣は能力こそ控え目だが、再登場して欲しい人間味あるキャラクターだった。ちょっとマザコンなんだろうけれど。イディオティックと凪が邂逅し、ブリックを手に入れたリミットが統和機構を離反する。そして最強の一角・リミットすら凌駕する水乃星透子(イマジネーター)の幻影。ホントに幻影ってとこが厄介だよなぁ。2019/07/04
新島
14
“牙の痕”の異界は怖いなあ(あの荒廃した世界は上遠野さんのもの?)脱出口できず何十年も走り続けたパトカーにはぞっとさせられました。竜巻で異界送りは『オズの魔法使い』みたい。今回は織機の切実な悩みが多く綴られています。「私は私でなければならない何かを、正樹や凪のためになれるような何かを見つけられるのだろうか」他者を思いやるばかりの行動は自分のことを正しいと思えない弱気な部分の表れ。それでも、最後には正樹の手を握ったことで何かが掴めたのかもしれないという終わりが彼女の未来を良くするものだといいですねーー続2016/02/10
神太郎
13
再読。一番ややこしいけれども、その分他のシリーズを読んでいるとニヤリと出来る作品かもですね。みなもと雫とかを使う辺りがまた憎いのです。ブギーポップの終わりを予感させるようなそんな作品。リミットもこの後出てくるのは「戦車のような~」位なものだし、彼女のこれからもいずれはどこかの作品で語られたりするのでしょうか。近作を読んでもブギーポップとイマジネーターは切っても切れない関係みたいだしね。そこら辺の謎も分かってくるのかなぁ。2014/02/15
読書好きのハシビロコウ
12
今回は「迷い」がテーマ。物理的に登場人物たちが迷子になる話でもあるのだけど、これは心の迷いが大きい。また迷いがテーマの今作に対しては、「何か守るべきものがある」ということが非常に強みだなと感じました。何か決断する時も「この子のことを第一に」と言った感じで信念を持って行動できるからね。この巻には、「ホーリィ&ゴースト」で出てきた統和機構の「リセット」の双子の姉である「リミット」が出てきますが、守るべきものを得たリミットと、そうでないリセットの動向も気になるところですね。2020/02/09
ハイちん
9
とりあえず空気を操るリミットさんと爆弾のブリックの組み合わせってアレが元ネタなんでしょ。『「爆発」と「空気」ッ!この世にこれほど相性のいいものがあるだろうかッ!』でしょ。2015/05/03




