出版社内容情報
「ゴーストハント」シリーズの魅力が詰まった読書案内。荻原規子、辻村深月、池澤春菜の鼎談、千街晶之、風間賢二、井辻朱美、今井秀和、一柳廣孝、東雅夫、法月綸太郎らによる寄稿を収録。
作家や文芸評論家が小野不由美小説の原点「ゴーストハント」シリーズの真価を問う! ミステリー、ホラー、オカルト、少女性……さまざまな側面から考察してゆく。荻原規子、辻村深月、池澤春菜の鼎談をはじめ、千街晶之、風間賢二、井辻朱美、今井秀和、一柳廣孝、東雅夫、法月綸太郎らによる寄稿を収録。作家・小野不由美はどのようにして生まれたのか――。『鬼談百景』『残穢』へと繋がる、小野不由美の足跡をたどる。
内容説明
『鬼談百景』『残穢』へ繋がる、小野不由美の原点「ゴーストハント」の真価を問う!!ホラー、ミステリ、オカルト、少女性、…そして作家・小野不由美について。
目次
「ゴーストハント」の軌跡&年表
鼎談 少女小説から生まれた「ゴーストハント」の革命
寄稿 ホラー・ミステリの流行に先駆けた「ゴーストハント」
寄稿 疑似科学+心霊主義=オカルト探偵誕生!
寄稿 少女と怪異と「一人称」
寄稿 オカルトの時代と「ゴーストハント」
寄稿 小野不由美小説の怪異と伝承
寄稿 死者を思いやるということ―「ゴーストハント」と本朝怪談文芸の伝統
寄稿 作家・小野不由美ができるまで
「ゴーストハント」全七巻徹底解剖
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひめありす@灯れ松明の火
58
キャラクター紹介とか、事件の経過とか、用語解説とか、ショートショートとか、そういう所謂ファンブック的な物を想像していたら、がっつりと各界名士による評論でした。だって、こんなに可愛い装丁なんだもの。面白かったのは、麻衣の母性に対する言及の評論。両親ともに死別している麻衣にとってはこの疑似家族の中の体験が、もう一度生まれ直すような物でそれによって眠っていた才能が再成長を始めたのかな、とか或いは学校も保護者の庇護下にある麻衣にとってSPRの活動は本当に親の目の届かない所になるのかな、とか色々考察したくなります。2013/08/12
みか
28
小野不由美以外の著名人がゴーストハントと小野不由美について語る本。参考文献は出来れば片端から制覇してみたいが、量が半端なじゃない。極力ネタバレを避けつつの評論なので、かゆいところに手が届かないもどかしさもある。理詰めでもぼろが出ないラノベってのもなかなか無いものだろう。さすがは小野不由美。まあ、残穢はともあれ、屍鬼は裏切られた感が非常に強かったので、種明かし的なエピゾードを知ることできて溜飲が下がった感有り。それだけでも良かったのかも。2014/04/24
うさみP
27
従来のファンブックかと思って手をとったらガチガチの解説本。20年以上前の作品で、若者向けのジャンルでありながら、何故ここまで、今もなお読者を惹きつけるのか? 分類論、当時の時代背景、小説論、女性論、民俗学・・・、『死鬼』などの他作品を交えながら、色々な視点でゴーストハントを分析し、その向こうに存在するホラー作家としての小野不由美を語る内容。ティーンズ向けでありながら、ここまで作品の奥行があるとは。ラフギャラリーでの祖父江さんといなださんのやりとりが面白い。2013/08/12
すきま風
26
小野さんのインタビューや新作が収録されてはいませんでしたが、辻村深月さんと荻原規子さんの対談が収録されており、辻村さんのオタクな小学生時代を垣間見ることができたので、ファンの自分としてはそれだけでも嬉しかったです。また、ゴーストハントシリーズに続編が出ていた事を知らなかったので何とかして読みたいなあと思うのですが・・・図書館であれば見つかるでしょうか。シリーズ全作を読み終えて少し時間が経っていて記憶が曖昧になっていたりするので、改めて再読したいなあと思いました。いなだ詩穂さんのラフが素敵です。2014/05/09
はるき
24
ゴーストハントと小野不由美さんを好きな人が集まって作った読本。豪華なラインナップに驚くなかれである。最初は少女小説だったのに、どんどん本格的な理知的怪奇小説になっていった経緯を懐かしく思い出しながら読んだ。2016/07/16