MF文庫
あちん

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  • サイズ 文庫判/ページ数 247p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784840152181
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

F市のお城跡に建つ県庁で事務をしている公務員の奈津美。その平穏な日常は、オホリノテを踏みつけたことで揺らぎ始めた。オホリノテ。お堀の手。梅雨になると石垣から這い出してくる、焼け焦げたような色の藻草のことだ。この土地には、奈津美のまわりには、常に死者の影がつきまとう…。第2回『幽』怪談文学賞大賞受賞作に書き下ろしを加えた実話から織り上げたふるさと怪談。

著者等紹介

雀野日名子[スズメノヒナコ]
福井県出身。2007年「あちん」で第2回『幽』怪談文学賞短編部門大賞を、08年「トンコ」で第15回日本ホラー小説大賞短編賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

散文の詞

120
-あちん-いわゆる都市伝説と霊が結びついたような話で、それなりに怖さはあるのだけど、短編のせいかあっさり終わってしまった感じが残念だ。 -タブノキ-古木にまつわる話で、想像していたのとは違って、唸ってしまった。不気味さは残るけど、多分、幸せになるんだろう。 -午前2時19分-公衆電話が鳴るなんていかにも都市伝説だ。まあ、こんな感じで、いい箸休めって感じの短編だ。 -迷走-途中でなんとなくわかってしまったけどホロリとさせられて結構好き。ただ、なぜ主人公が悔恨してるのかがわかりにくいかな。 2020/11/19

Yu。

17
じんわり迫る恐怖がたまりません。。。福井県庁に務める主人公に降りかかる怪異が描かれる物語で、ひとつの作品としての纏まり方がとても素晴らしい5つの連作形式の怪異譚。お気に入りは、地元に根づく御神木にまつわる話で、あの明るい同僚の変わり様が恐ろしい「タブノキ」。結果、友人二人を失うこととなる東尋坊での哀しき出来事が過去現在を通し描かれる「迷走」。2015/04/11

Spok

5
表紙を見てあまり期待しないで読み始めたが予想をはるかに上回る面白さ。最後まで楽しめた。2023/07/25

5〇5

5
~第2回『幽』怪談文学賞短編部門大賞受賞作~                               平穏な日常から怪異がひょっこり顔を出す。ご当地感を味わいつつ、怖れと切なさを感じてください。(鈴音書店 千曲店 江藤杏子さん)2021/12/10

charu

5
数年前に単行本版を読んだ時は、なぜ主人公だけがやたらと怪異に巻きこまれるのかと訝しく感じる部分があったが、今回の文庫版の書き下ろし追加短編でその理由が明らかにされて納得。エピソードの順番も単行本版と変わっており、全体的にブラッシュアップした感じで、怪異的視点から見る現代地方小説としての面白味が濃くなったように思った。2013/06/29

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