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内容説明
どんな家にもその家の者だけが知る「秘密」がある。他人には決して漏らしてはならない「恐怖」がある。「土地」に塗り込められた過去、「建物」が秘めた記憶、「血」が受け継ぐ凶習。斯界の大家から新進まで、多彩な顔ぶれによる怪しい家々の物語。『怪談列島ニッポン』『厠の怪』に続くテーマ別怪談競作集第三弾。
著者等紹介
東雅夫[ヒガシマサオ]
1958年、神奈川県生まれ。文芸評論家、アンソロジスト。怪談専門誌『幽』編集長、元『幻想文学』編集長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sin
61
創作あり、エッセイあり、人の生き死にが怪異を呼ぶなら家はその舞台として相応しい場所といえる。人は生きていくうえで家に家族に縛られているのかも知れない。皆川・釘が裏、井戸は表か?福澤・職業あるあるが興味深い。黒・複雑な哀しみを覚えさせる。田辺・人見知りな市松人形。雀野・座敷わらし的な…?朱雀門・にじり寄る怪談。神狛・果たして彼女は悪霊として迫りくる災厄を退けることが出きるだろうか?宇佐美・自分の性にダラシナイ男たち。金子・人生って…。南條・思い出語り…。東・明治 大正にみる化物屋敷の記録、そして「三角屋敷」2023/07/19
あたびー
35
#日本怪奇幻想読者クラブ 家をテーマにした競作集。私小説風の書きようがしてある(あるいは本当に半分私小説)作品が多く、それもまた一興である。皆川博子「釘屋敷/水屋敷」本書中最も幻想的で最も禍々しい。三陸地方の方言で書かれていて、分からない人もいるかと思うが幸い私には馴染みの言葉だ。釘屋敷では大黒柱に釘が刺さっていて、その釘は皆生き物と繋がっている。抜けば裏返って毛玉になる。水屋敷では座敷の真ん中に掘り抜き井戸があり、釘はそこに捨てられるらしい。読んだ後は釘屋敷水屋敷という言葉が頭から離れない。2021/03/30
BUBI
27
英国の古い屋敷は幽霊付きがけっこう多いらしいけど、日本にも昔は化け物屋敷が多かった、というのを読んで、そうだったんだろうなと頷いてしまいました。日本の場合は、先の大戦の東京大空襲で東京は焼け野原になったから、幽霊がひっそり住んでいた古い家などは軒並み焼失してしまったんでしょうね。幽霊たちはどこへ行ってしまったんだろう。「残穢」のように実は名もないマンションの一室にぶら下がってたりするのかしら。とても興味深い、家にまつわる怪談集。こういうのとても好きです。2019/09/07
スノーマン
21
田辺さんの、我が家ってテーマで人形は反則、、一番怖かったかも。宇佐美さんの短編は既読だったけど、何度目でも薄気味悪い、キモい。2020/06/08
あーびん
21
田辺青蛙さんの実話怪談テイストの「我が家の人形」が生き人形を思わせるような話でさりげなく怖かった。夫である円城塔さんは心霊系が苦手らしい。「凶宅奇聞」の岡倉天心一家が転居のたびに心霊現象に襲われるエピソードも興味深い。2019/04/03
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