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内容説明
砂漠ではふいの降水に対する備えがないため、人々は鉄砲水で簡単に溺死してしまう。振り返れば日本でも、風呂で、オフィスで、ゴルフ場で多くの人が「医師に看取られない死」を迎えている。死者の2割が「異状死」という統計もあるほどだ。5千におよぶ不審死体を解剖してきた気鋭の法医学者が、様々な不慮の死の形と原因をスリリングに解説する。
目次
はじめに 人は砂漠で溺死するほど死にやすい
第1章 診断する医師、検案する医師
第2章 交通事故より「風呂場」が危ない!
第3章 日常の場面での意外な死
第4章 覚悟の自殺の意外な結末
第5章 えっ!そんな場所で…!?
第6章 死んでもセックスはやめられない
おわりに 死因不詳国家から、死を大切にする国へ
著者等紹介
高木徹也[タカギテツヤ]
法医学者。1967年東京都生まれ。杏林大学医学部法医学教室准教授。東京都監察医務院非常勤監察医、東京都多摩地区警察医会顧問として、不審遺体の解剖数は日本1、2を争う。法医学・医療監修を行っているドラマや映画は多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mitei
53
死亡診断書を書くのは遺族にも影響を与えるので心労が耐えない仕事だなと思った。死因を探るのも難しく大変だなぁ。2012/01/23
ふろんた
28
風呂溺のような突然死も、事故ではなく持病が発症したことによる死であることも多い。人ってなかなか死なないようで、ちょっとしたことでも簡単に死んじゃうんだなあ。自殺の章でげんなりしたけど、最終章がお口直しでよかったです。一読しておけば、周囲で突然何かあった時にパニックにならずに頭を働かせることもできそうです。2014/02/03
てっしー
16
法医学者の立場から書く、意外な死因の数々。人体のメカニズムの緻密さに感動すると同時に、ちょっとした「間違い」が、思わぬ死に繋がることもあると知り、驚きである。もちろん逆に、知っておけば命を助けることもできる役立つ知識も載っている。特に放散痛(心臓などの知覚神経が通っていない臓器が痛んだ場合、別の部位に痛みが表れる)の知識や、地震などで重量物に体が挟まった場合に、止血せずにただ重量物をどかしただけでは壊死した部分から悪い成分が体を巡ってしまうことなど、勉強になった。2014/08/11
みこと
16
たいへん勉強になりました。普段なかなか知ることのできないいろいろな死因やそのメカニズム、自殺についての裏話など非常に興味深いコラムが多くて面白かった。文章も砕けた感じで読みやすかったのでとてもわかりやすかった。そしてもう少し法医学というものは大事にされてもいいのではないかと思いましたです。2014/02/19
とうゆ
16
人間死んだ後のことはあまり考えないものである。しかし死因というのは意外と重要なんだなと気づかされた。死因によって生命保険の額は変わるし、事故か自殺か他殺かの判断も変わってくるだろう。それらは残された者にとっては大きな事である。また法医学に大きい地域格差があるそうだが、突然死する人は場所は選べないだろうし、ゆゆしき問題である。2013/12/02