メディアファクトリー新書 エクソシスト急募―なぜ現代人が「悪魔祓い」を求めるのか？

島村 菜津【著】

メディアファクトリー（2010/08発売）

• サイズ 新書判／ページ数 218p／高さ 18cm
• 商品コード 9784840134941
• NDC分類 198.26
• Cコード C0216

内容説明

大学ではエクソシストの養成講座が開かれ、勉強会には全世界から２００名ものエクソシストが集う。イタリアを中心とした欧州で、いま何が起こりつつあるのか―？著者は、悪魔に憑かれた人々やエクソシストに取材し、日本人として初めて「悪魔祓い」の儀式に立ち会う。グローバリズムの嵐がキリスト教文化圏の人々にもたらした「正体不明の不安」の実態に迫る迫真のレポート。

目次

映画『エクソシスト』の知られざる事実
エクソシストが足りない
カトリックとは何か？
聖書のなかのエクソシズム
エクソシズムとは何か？
史上最高のエクソシスト
「悪魔祓い」という聖なる儀式
近代のエクソシズム事件
欧米の悪魔主義
精神医療とエクソシズム
エクソシストを巡る旅

著者等紹介

島村菜津［シマムラナツ］
ノンフィクション作家。１９６３年福岡県生まれ。東京芸術大学美術学部芸術学科卒業後、イタリア各地に滞在しながら、雑誌に寄稿。９９年ヴァチカンのエクソシストらに取材した『エクソシストとの対話』で２１世紀国際ノンフィクション大賞優秀賞受賞（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[空猫]

ネット記事で「エクソシスト(悪魔祓師)不足」と言う記事を見かけたが本作は10年以上の出版だ。教会認定で養成所まで在るとは驚く。カトリック公認の祓い師は300名程で､依頼は全員がフル稼働しても対応不可なのが現状だとか。が､実際に「悪魔が憑いていた」事例は1%以下らしい(要はほぼ精神病)。映画や悪魔崇拝の間違った､あるいは胡散臭いイメージがあるが､当事者は勿論真剣に悩み､神父ｻﾝは全力で､しかも無償で対峙されている→

2022/12/12

[猫ぴょん]

読みやすくて理解しやすい✨ 偏った考えも見解も無く淡々とインタビューした内容や自分の経験（なんと悪魔祓いの場に！）を書いていて好感が持てる。 なくさんの症例の中に、これは本物？😱な感じのがあって〜。 信じる信じないはそれぞれだけど 私は信じる😱 霊的なモノも悪魔も信じる派なのである☺ それにしても世の中は悪魔的な事件が（戦争も含めて）後を絶たないね。 ピンガペンギンさん☺ 本の紹介ありがとうございました。有益な読書時間でした✨

2023/10/11

[ntahima]

続編ではないが『エクソシストとの対話』の１０年後に書かれた本書は、良くも悪くも新書である。前作に比べ格段に読み易くなっておりノンフィクションと言うよりは小辞典みたいな構成。公式エクソシストの現状について手っ取り早く知りたい人にお勧め。但、その分『～対話』にあった著者の手探り、戸惑い、逡巡、共感等の臨場感は失われている。私は前作の後日談として楽しんだ。話が行きつ戻りつして少し読みにくいが、やはり前作から読むのが正解だと思う。情報として整理されてしまった本作に比べ登場人物が生きている。特にカンディド神父は！

2012/12/08

[ROOM 237]

Kindleアンリミ、今秋50年振りにエクソシスト続編やるってんで一丁読んでみた。B級ホラーなタイトルに斜に構えて読み始めたら、儀式と神父と悪魔憑き判断された人にそれぞれ寄り添った取材で良かった。カトリック〜エクソシストの位置付けに始まり儀式潜入とインタビュー、科学とオカルト〜悪魔憑きと精神疾患〜医学と悪魔祓いの線引きを繊細に紐解いていく。本物の信仰が陰るとオカルトの木が育つ理論は掘り下げてみたい。また、精神病と診断されるよりも悪魔憑きに分類されることを望む患者の気持ちは腑に落ちるものがあった。

2023/07/31

[4fdo4]

小説っぽい題名だが、ノンフィクションである。バチカン公認のエクソシストが増えているという。映画でのイメージが強く、悪魔祓いというオカルト的な話を想像するが実際は異なる。実際の悪魔祓い儀式に同席した取材は興味深い。イタリアには精神科病院が無い事に驚くが、心の安寧を求める人には縋る一つのと理解した。エクソシスト本人も実際にはほとんどの対象者が、悪魔とは無関係だと言っている。読んでよかった本

2022/10/29