出版社内容情報
矢野直美[ヤノナオミ]
著・文・その他
内容説明
朝日新聞などで人気のフォトライターが撮りおろす、北の鉄路。大自然のなかを走るローカル線と、そこで出会った学生たちのかけがえのない日常を切り取る、あたたかな鉄道写真集。
著者等紹介
矢野直美[ヤノナオミ]
北海道札幌生まれ。旅をしながら写真を撮り、文章を書く「フォトライター」(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
73
北海道の汽車と駅と高校生の姿を取った写真集。著者の瑞々しい感受性がページの間からこぼれ落ちてきそうな内容だった。ページをめくっていると、高校生たちの笑い声や歓声も聞こえてくるような感じ。ありふれた田舎の駅に漂う詩情も切り取られており、ローカル線に乗って旅に出たくなる。2013/11/16
しゅてふぁん
52
北海道のローカル線の通学風景を撮った写真集。高校生たちの日常を眺めているだけで甘酸っぱい気分になるのは、自分の高校時代を無意識に重ねているからかもしれない。10年前の刊行だけあって既に廃線になった路線もあり、もうこの風景を見ることができないのかと思うと淋しい。‘学生はローカル線の主役’、そうかもしれないな。2021/07/04
こぶたとともに@こぶrin☆永遠の17歳
37
春夏秋冬それぞれの季節毎に、北海道各所で紡がれる、高校生の通学列車風景を収めた写真集。一部を除き電車は登場せず、被写体となる列車のほぼすべては気動車。ローカル感抜群のキハ40系・キハ54系や道内各所の駅舎、冒頭の北舟岡駅をはじめとする北海道特有のスケールの大きな風景、高校生の笑顔・真剣な眼差し・不安な表情、それぞれ入り交じる光景を写真として切り取ることで、自意識過剰な高校生の心情を映し出す。まもなく廃線となる江差線も記録されており、現在の北海道の鉄道動向を知る上でも貴重な1冊。2013/05/31
ほむら
20
聞き慣れない言葉だったけれど、私にとって「通学」はまだ馴染みのある言葉だったから。司書さんの勧めもあって、借りてみた。広大な景色の中を走る列車も、雪の中を走る列車も、それが1両しかないのも、私にはとても珍しく感じられた。それから、制服にブーツを履いている服装、英語みたいな駅名、屋根のない駅のホーム…。でもそこに流れる学生としての時間や、笑顔や、くだらない話や、流行りのキャラクターは、きっとどこも変わらないんだろうな、と思えた。都心では見ることのできない風景が、制服を通してえがかれる。2013/06/25
Tomokazu Kumada
17
「汽車」というタイトルに惹かれて手に取ってしまった1冊。やはり北海道に住んでる自分にとっては電車という単語には馴染みがなく、今でも汽車と言ってしまうことを思い出す(笑)。手に取っておいてなんだが、自分には汽車通学の思い出はない、高校生のときはバス通学だったから。ないのになぜ惹かれるのか、自分が小学生の頃に地域の天北線が廃線になったからだと思う。多分、高校生の自分も写真集の中の彼らと同じ様な顔、同じ様な会話をバスの中でしていたんだと思う。北海道の高校生の何気ない通学風景を撮影した懐かしさを感じる写真集。2012/11/03
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