内容説明
全国の火災件数に占める放火の割合は約20%、しかし鑑定人の“認識”では50%を超えている。一般人に放火を指南する「火付け屋」の存在、燃やすために家を建てる人々、焼死体の位置が物語る火災原因、「歌舞伎町雑居ビル火災」の裏側―火災現場には、人間の心の闇が潜んでいる。国内屈指の実績を誇る火災鑑定人が数々の事件の真相を解明する、驚愕のエピソード集。
目次
第1章 放火犯が抱える心の闇
第2章 火災鑑定、その最前線!
第3章 あの事件の裏側に何が?
第4章 放火の陰に「火付け屋」がいる
第5章 火災調査チームの実力
第6章 その現場には死体があった
第7章 犯人たちの恐るべき釈明
第8章 火災鑑定人の憂鬱
著者等紹介
小林良夫[コバヤシヨシオ]
警察レベルの科学鑑定を行う国内有数の民間鑑定機関「法科学鑑定研究所」と連帯協力する火災鑑定人。「分析センター」法科学調査部部長。保険会社や弁護士、警察から年間約300件の分析依頼を引き受ける。この数は保険金がからむ全国の火災案件の約8割に匹敵する。「小林は裁判における鑑定人の切り札」と言われるほど、大手火災保険会社などから厚い信頼を集める。『BOSS』『東京DOGS』(フジテレビ)など、ドラマの監修・制作協力も行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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手ぬぐいゲッター
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保険金目当て等で自分の家に火をつけるなんて考えてもみませんでした。 保険のある所に詐欺があるのですね。 火災鑑定人とは物凄い洞察力がないとできないなと思いました。 やってみたい気もします。2017/01/04
ガリガリくん
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死傷者の出ていない失火案件の場合、多忙な警察が本格的な捜査を行う事はまずない。鑑定人が見たら、被害者が放火したのではないかと疑えるような事案の多くが、真相を明らかにされないまま闇に葬られている。民事裁判で争うのはあくまで保険会社と契約者であり、判決の結果を見て検察官が介入することはない。火付け屋は、火災調査の専門書で勉強し、裁判を傍聴し、どのような点に疑いを持たれるか、裁判で負ける理由等を日々研究している。保険会社が不正な請求に応じると、保険金が裏社会の資金源となり、社会悪に加担することにもなりかねない。2016/06/01
Gen Kato
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資料として。やはり動機はおカネなのか…2014/05/04
のりゆー
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放火犯の心理、行動パターンが実例を通じ紹介される。興味深く、勉強になった。ラベンダー事件は花言葉が由来だったのか。2012/07/31
とんぼ
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テレビで紹介されてたのが面白かったので本の方も購入。専門用語も簡潔に説明してくれていて、非常に読みやすくてわかりやすい。しかし、テレビでの再現VTRは大筋はそのままだけど、細かい部分はかなりドラマチックに脚色されてたんだなあ(苦笑)。鑑定人たちのどんな些細な痕跡も見逃さない高い技術力や経験、執念、信念といった真実を突き止める頼もしいプロ根性もさることながら、「火付け屋」という対極の放火のプロの存在がやはり目を引く。正義の鑑定人に対し、こんなお誂え向きの悪役が現実に存在するとは。マジでドラマだ。2010/03/23