内容説明
オーストラリアから2年ぶりに日本に戻り、派遣ではたらき始めた28歳の絢日。職場でも友人からも、たびたび「このあいだ絢日を見かけた」と言われるが、心あたりのない話ばかり。自分がいなかった場所で目撃される。もうひとりの自分に会うため、絢日は“彼女”が現れるというバーを訪れる。バーの名は「アムステルダム」―やがて4人の男女の熱い想いと、哀しい秘密が、アムステルダムでクロスする。自分は平凡で何もできないと思っている絢日が、恋の渦のなかで見つけるものとは…読む者の胸に突き刺さるラブストーリー。
著者等紹介
志羽竜一[シバリョウイチ]
作家。慶應義塾大学卒。旧東京三菱銀行退社後、小説「シャンペイン・キャデラック」で三田文學新人賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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来未
5
絢日と宮部のそれぞれの恋の物語。絢日とそっくりな人物の存在との出会いからスタートする。そして舞台はアムステルダムというバー。二人に関わる人物たちは、様々な形で結びつき、過去を辿ると一つの物語へと形を成していく。絢日、哲、智也、宮部、美晴。相関図をまとめたら複雑になりそうだ。相手を思う気持ちや自分への劣等感ともとれる厳しい気持ちが交錯し、なかなか素直になれないことなど切ない気持ちにさせる。読了後、それぞれの思いに素直になれた者同士のこれから歩む道を応援したくなる。エピローグは…ほっと心温まる感じだった。2020/05/04
いしんぺ
1
過去の恋愛を引きずっている女と今の恋愛に問題を抱える男の話が交互に書かれている。出来すぎな感じもしたが、読みやすく面白かった。2009/11/28
うどん屋さん(白濁)
0
久保田が鼻につく。なんか作者のナルチシズムに時々ついて行けなくなる作品2015/10/21
Tom
0
二組の男女を中心に展開するラブストーリー。いわゆるザッピングで伏線張りまくり。それを、ちょっと強引だけどうまく回収できていて、読み応えがあった。登場人物も魅力的。欲を言えば、もう少し個々のストーリーを綿密に描いて欲しいとも思ったけど、元々「L25mobile」の連載だったようなので、(加筆修正しているとはいえ)構成に縛りがあるから仕方ないか。本屋で適当に手にとった割には当たりでした。2014/03/07
にゃんちう
0
主人公の男女が交互に話(視点)が入れ替わりながら展開されていくお話。お互いのメインストーリーは方向が別の方を向いているが、共通の知り合いや伏線的な繋がりがあって面白かった。二人は作中で会うこともあるので、視点が異なる描写で読んでいて飽きない感じに仕上がっていて良いです。
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