内容説明
恋をすると、痛い。それでも、また恋をしてしまう。7人の女の子の、7つのせつない恋の瞬間。
著者等紹介
前川梓[マエカワアズサ]
1984年兵庫県生まれ。京都精華大学卒業。2006年春「ようちゃんの夜」で第1回ダ・ヴィンチ文学賞大賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よんたん
15
みんな心ここに在らずで、自分が大事で自分を大事にできていなくて、声をかけてくれて、待っていてくれる人たちをなんでもないと思っているように見えるけれど、違う。誰かを受け入れるのも誰かと別れるのも、好きだと自覚するのも嫌いになったと納得するのも、時間がかかる。私の部屋は、自分の物なのに自分だけの物でないもので溢れている。それをしまう箱を置く場所もない。少し不安になってしまう。でもそれじゃダメだ。これは私よりずっと若い人たちの恋愛だから。恥ずかしくて見たくない記憶も聞こえてくる音も、いつか自分に勇気をくれる。2015/11/23
さわこ
15
恋のお話だけど、みんな抱えているものが重すぎる…!しんどい恋ばかり。さびしくて、誰かと一緒にいたくて、相手を求めてしまうのかな。出てくる女の子たちがみんなかわいらしくて、人として魅力的だったので、もっと幸せな恋をしてほしいなと思った。★★★★☆2014/05/11
アコ
11
ずいぶん前に読んだけれど再読してみた。装丁がかなり好み。ヨシエさんという作家の刺繍がとてもかわいらしい。でも、…ううーん、どうしたことか、読み進めるのがなかなか大変で。ほんわりした空気のなかに結構なしんどいことが描かれているからなのかな。全体的にせつなく、そして暗め。もう少し心が潤っているときに読むべきだったかな。再読は悩む。2013/03/26
777
7
登場人物みんなが様々な思いを抱えていた。自分では大きな問題であっても他人から見たら、よくあるエピソードのひとつとしてしか捉えられないこともある。自分の問題は自分で解決しなければいけないものだけど、ひどく思い詰めてしまうときには一歩ひいて、みんなそれぞれ抱えてるものがあって努力してるのだと俯瞰してみるのもいいかも。それから、指差した方向を一緒に見て、感動を共有し合える人がいること、その人と思い合えることは本当に幸せなことだとかんじた。2013/11/24
きき
6
短編集のようで、実は一本の線で物語が繋がっている。 誰かの幸せが誰かの切なさに繋がっていたり、誰かの些細な行動が誰かの気持ちを揺さぶっていたり、そんな人と人との不思議な繋がりのように、一つ一つの物語がまた、不思議な雰囲気で繋がっている。登場人物たちの「女の子」ならではの繊細さや不器用さが、どことなく自分にも当てはまるところがあって、胸がぎゅっとなる時があった。どんな形であれ、人は結局誰かに支えられないと生きていけない。それはきっとポジティブなことなんだって、ふんわりと思った作品だった。2019/03/09
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