内容説明
スージィこと内野智佳は、某国立大学工学部化学工学科の秘書。彼女の勤める大学周辺で暴行傷害事件が多発する。智佳の周辺でも不気味な出来事が続き、友人のルナも被害に遭ってしまうが…。大学の工学部を舞台に、それぞれに秘密を抱えた6人の視点で連続殺人事件を追う、ちょっとフーガでホラーな新感覚ミステリィ。解説はコジマケン(描き下ろしマンガ)。
著者等紹介
森博嗣[モリヒロシ]
1957年愛知県生まれ。某国立大学工学部助教授職の傍ら、1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞して作家デビュー。受賞作をはじめとする「犀川・萌絵(S&M)シリーズ」で一躍人気作家に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
aoringo
59
ふんだんにに盛り込まれた可愛いポップな挿絵とは裏腹に次から次へと起こる殺人事件。森さんの詩が散りばめられていて森哲学を感じさせた。大学が舞台となっているので、S&Mのような軽妙な会話が楽しめるかと思っていたのだけど、期待していたのとは少し違っていた。これはこれでまあまあ楽しめました。2019/01/27
rio
31
それぞれに秘密を抱えた6人の視点で連続暴行傷害事件を追う、群像ミステリー。視点が次々と入れ替わりながら話がどんどん展開していくため、不思議な酩酊感があります。軽い感じの話かと思いましたが、登場人物全員が怪しく見えたり、意外な仕掛があったりと、ミステリーとして楽しめました。所々はいるイラストも物語にマッチしていて良かったです。2013/03/30
十六夜(いざよい)
17
タイトルからネットワーカ=奥様という先入観で読んでしまった為、ラストですっかり騙されました。もう一度読んだら、もっと違う楽しみ方が出来るかも。ブログ形式で進んでいく推理小説は初めてだったから新鮮。そしてサクサク読める。森さん、色々引き出し持ってるなぁ。2019/06/23
shoko
16
かわいいイラストとは相反する闇のストーリー。展開の仕方とか言葉使いとか森博嗣って感じで好き。でも犯人はだいぶ最初の方でわかってしまったけど。森さんのミステリーで私が犯人を序盤で当ててしまうなんて珍しい。2018/11/17
いずむ
14
異様なむつかしさでした。読み辛い、とはちょっと違うかなあ、とらえどころのない、というか、天真爛漫、自由奔放、五里霧中。。視点がぱっぱっぱっと切り替わり、時間軸も前後しながらぶんぶんと振り回されるミステリィ。何だコレ…と思ってるウチにもページを繰る手は進み、奇劇的な展開で幕。初めて森センセを読みます、という方にはオススメできない。。森センセのリズムに慣れてから、『変りダネ』として読まれるのが良いでせう。そもそもこの作品から森ミステリィに入る人は、もはや当人がミステリィですが。イラスト集としても楽しみました。2012/01/03