内容説明
怪を蒐め、怪を語り、怪を著す怪談をこよなく愛する怪談之怪、京極夏彦、木原浩勝、中山市朗、東雅夫の四人が、すべての書き手に怪談の作法を徹底的にレクチャー。
目次
開校の辞(京極夏彦)
1時間目 怪談ホームルーム(京極夏彦;木原浩勝;中山市朗;東雅夫)
2時間目 怪談合評会(京極夏彦;木原浩勝;中山市朗;東雅夫)
3時間目 怪談の書き方(木原浩勝)
4時間目 怪談の語り方(中山市朗)
5時間目 怪談の作り方(京極夏彦)
6時間目 怪談の読み方(東雅夫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かおりんご
21
怪談を書く参考にと借りた。簡潔に怖がらせるのって難しい。いろんな本を読んで、慣れていこうと思う。2021/05/16
三柴ゆよし
11
京極夏彦と木原浩勝のふたりが一般公募の怪談を添削していくコーナーがよかった。実話怪談というかモロに『新耳袋』テイストで語り直す木原に対して、技巧を技巧と感じさせない超絶テクで披露する京極。2021/06/13
ユラニト
6
澤村伊智先生が先日旧Twitterで紹介していた本。タイトルから?となっていたが怪談の書き方についてまとめたまさしく“学校”的な本。投稿された怪談の批評やそれをもとに先生方が改めて怪談に直すという内容、珍しいのではないでしょうか?書き手によって現れる特徴を説明するのに同一投稿者の複数の怪談を掲載するなど、なかなか見られないものが読めて面白かったです。新耳袋について採集したものにそこまで手を入れていないと思っていたら、結構省略したり前後を入れ替えたり、あくまで実話をもとにした創作というスタンスだったのかー!2024/03/14
daisuke こうさつ王 nakayama
5
20年近く前の本。今はもう揃うことは無い(木原と中山がケンカ別れしたから)豪華メンバーによる怪談理論の体系化。当時は軽視されていた怪談を、何とか文芸として成立させようという反骨精神が垣間見える。また、怪談の復興がオカルトブームへのアンチテーゼであったことも伺える。そのため彼らはオカルトブームの産物である"霊感"や"地縛霊"といった概念を法度としており、怪談が人気コンテンツとなった現在からみると「あれもダメ、これもダメ」と言われているみたいで老害感があるが、彼らが後の世代に繋いだから今があるのは確かだ。2023/10/20
麻耶
5
語られる近年のホラーシーンの内容が「ぼっけえ、ぎょうてえ」や「リング」だったり内容が古いのは刊行が20年近く前なので致し方ないかな…… 新耳袋を読んだことがないので選評者で知っているのは京極夏彦、東雅夫氏くらいだった。 素人の怪談が大半を占めそれの添削という形なので飽きは来やすい。 チラー・ポイントについて参考テキストが挙げられてるのが良かった。 定型的な表現(愛、ラップ音)等を使うといかにも創作っぽく陳腐になるのでやめた方がいいらしい。 選評者の方の立ち位置が違うので擦り合わせるのが大変そうには感じた。2024/02/22