内容説明
教典であり、歴史的文献であり、西洋文明の礎の書である聖書。名高い本なので、読んでみたい人は多いでしょうが、なかなか歯がたたないようです。また、聖書自体をざっくりどんな本か知っておきたい人もいるはずです。本書は、こういった人にも通読できる―聖書を読む際のガイドとなり、あるいは聖書自体を読まなくてもどういう書物なのかが理解できるガイド―になる本です。あまり難しく考えず、気楽に聖書にアプローチしてみてください。
目次
序章 裏切者ユダが福音書を書いた?(「ユダの福音書」の発掘;神とキリストが抱える潜在的な矛盾 ほか)
第1章 聖書とはどんな本か?(聖書のアウトライン;古代イスラエル人と旧約聖書 ほか)
第2章 聖書を読んでみよう(天地創造;アダムとエバの失楽園 ほか)
第3章 聖書が世界を動かしている?(聖書文化の広がり;宗教史の流れ―聖書以前から近現代まで ほか)
著者等紹介
中村圭志[ナカムラケイシ]
1958年、北海道生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程満期退学(宗教学・宗教史学)。宗教研究者。翻訳家。昭和女子大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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かふ
21
『カラマーゾフの兄弟』やローマ教皇の「コンクラーベ」のなどキリスト教の知識を求められることが多くなったので読んでみた。聖書については知っている以上のことはなかったのだが、キリスト教の雑学的部分が面白い。アメリカの福音派はベトナム戦争のカウンターカルチャーで保守派が脅威に感じて出てきたとか、近年の話題も多い。また無神論者のほうが神学についてよく知っているというのも頷ける。容易になんでも神に結びつけて考えてはいけないとか、ごもっともな意見かな。宗教的なことには興味はないが霊性を求める人が増えているとか。2025/05/08
鈴
16
聖書を読んでみたいけど読むには分厚すぎて、できればサクッと軽く中身を知りたい、という人向け。入門書。旧約聖書と新約聖書の違いすら知らなかった私にはどれもこれも初めて知ることばかりでとても興味深かった。この「教養として学んでおきたい」シリーズ、ほかにも面白そうなのがたくさんあるので読みたい。2024/06/20
燃え尽きタコ
13
…ちょっと旧約聖書と比べて新約シンプルおもんなさすぎて本文脱落。コレと山上の垂訓部分だけ読んだ。 現代的価値観の上で歴史と絡めて解説してて読みやすかったです。2025/05/19
naka
12
著者は宗教学の研究者ということで、聖書に関しての情報がまとめられています。キリスト教といった一神教の文化圏では、科学技術の進歩が起きやすいという考察がされていてちょっと面白いと思いました。2024/03/22
ねこ
5
キリスト教の歴史を浅く広く学ぶことができた。信仰から一歩離れたフラットな視線で語られている。出エジプトが丸っと嘘だとすると戒律などの権威付けのために作った寓話なのかもしれない。2024/06/25