出版社内容情報
将棋のプロ棋士を目指し、棋士養成機関である奨励会で戦いを続けている天才少年・中島遼平(15歳)。しかし、今期の奨励会三段リーグは4戦した時点で1勝3敗と苦しい星となった。落ち込んでベッドに倒れ込んでいると、幕末の江戸へタイムスリップしてしまう。
煮売茶屋で働きながら、賭け将棋に命を張る浪人や、将棋家元の元内弟子で三間飛車を得意とする盲目の棋士と対戦。
そしてついに、幕末の天才棋士と謳われた天野留次郎(後の天野宗歩)と対戦する日が訪れる―。
令和の天才少年と江戸の伝説の棋士、時空を超えた対局で彼らが得たものとは?
内容説明
『浮きたつように指せ』と留次郎は言った。15歳、奨励会三段。令和の天才将棋少年が幕末にタイムスリップ。伝説の棋士・天野宗歩と対峙する―。
著者等紹介
新井政彦[アライマサヒコ]
1950年生まれ。埼玉県出身。中央大学文学部卒業。学習塾経営の傍ら、35歳のとき小説を書き始める。1999年『CATT―託されたメッセージ』で第16回サントリーミステリー大賞優秀作品賞受賞。2000年『ネバーランドの柩』で第17回サントリーミステリー大賞優秀作品賞受賞。2005年『ユグノーの呪い』で第8回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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さっこ
78
史上6人目の中学生棋士を狙う奨励会三段、15歳の遼平。三段リーグで足踏み状態の中、突然江戸時代へタイムスリップしてしまう。将棋版JIN-仁といった感じ。幕末の天才棋士・天野留次郎(のちの天野宗歩)が出てきたりしてちょっと嬉しい。江戸の人々の人情などに触れ、将棋に対する姿勢が変わっていく遼平。作品の中で対局の棋譜が出てくるので、そこは少し流し読み。軽い感じのエンタメ小説として楽しめた。2022/02/24
tom
16
読友さんのコメントを読んで借りてきた。私は、囲碁のことは、ほんの少し分かる。でも、将棋はさっぱり。金と銀の動きの違いすら、頭に入らない。最近の藤井聡太さん、すごい、すごいと思っているのだけど、彼の棋譜を見ても、何がなんやらチンプンカンプン。この本を読みながら、将棋のことが少しでも分かっていたらずいぶん楽しめただろうと思ったのでした。そしてまた、この楽しさを楽しめないなんて、ずいぶん損をしているとしか思えない。私にとっての「残念」をはっきり示されてしまった面白本でした。2021/12/17
こまっちゃん
12
史上6人目の中学生プロ棋士を目指す15歳の主人公が、スランプの中で突如江戸末期にタイムスリップし、幕末の天才棋士天野宗歩と対局するお話。タイトルがちょっと残念。棋譜はガチ過ぎて観る将の私にはイマイチ理解できず残念でした。2020/05/08
kouya
11
将棋は疎く棋譜も全くわからないので飛ばすページもあったけど、読みやすく面白かった。これで完結だったら物足りない。2021/04/27
kitten
11
図書館本。奨励会三段の少年が幕末にタイムスリップして伝説の棋士、天野宗歩と対局するというすさまじく荒唐無稽な話。将棋の図面をガンガン使って、将棋を知らない人を完璧に置いてけぼりにするお話だった。これ、実際に天野の棋譜を並べて研究したのかな?棋譜監修は及川六段。棋士であれば、ものすごく面白く読めると思うが、そうでないとさすがに伝わりにくいんではないだろうか。後手番一手損角換わりを天野にしかけて、どう対応するのか。そんな話で興奮する人じゃないと無理かも。もう少し面白さが理解できるほど将棋強ければよかった。2021/01/30