出版社内容情報
竜王戦誕生という大きな出来事で始まった平成の将棋界。この約30年間は400年を超える将棋界の長い歴史から見ても激動の時代で、羽生善治を中心に、谷川浩司、佐藤康光、森内俊之、渡辺明など、数々の超一流棋士たちが名勝負を繰り広げました。
本書はその平成将棋の変遷を、時代を彩った名局で振り返る記念碑的一冊です。各年からタイトル戦を中心に、大きな意義のあった3~4局を当時の状況やその一局の持つ意味を交えながら解説しています。
また、巻頭には平成将棋の主役と言って間違いない羽生善治九段のインタビュー「羽生善治に聞く平成戦術史」を16ページにわたって掲載しています。矢倉91手定跡、藤井システム、横歩取り△8五飛、一手損角換わり、ゴキゲン中飛車・・・。平成時代に現れたそれまでの常識を打ち破る戦法の数々を第一線を走ってきた羽生九段ならではの視点で語っています。
「棋士の魂は棋譜に宿る」と言われますが、まさにこの本には棋士の魂が込められています。将棋ファンの皆さまに、ぜひとも読んでほしい一冊です。
内容説明
羽生の先手5二銀から広瀬竜王誕生まで、激動の平成将棋を名局で振り返る。
目次
巻頭インタビュー―羽生善治に聞く平成戦術史
第1部 平成元年~10年(第38回NHK杯将棋トーナメント本戦準々決勝―平成初頭を飾る先手5二銀 先手羽生善治五段‐後手加藤一二三九段;第7回全日本プロトーナメント決勝三番勝負第3局―鋼鉄の四枚金に名人屈す 先手森内俊之四段‐後手谷川浩司名人;第2期竜王戦七番勝負第8局―19歳のファースト・タイトル 先手羽生善治六段‐後手島朗竜王 ほか)
第2部 平成11年~20年(第32回早指し将棋選手権戦決勝持将棋指し直し局―380手!43歳の初優勝 先手土佐浩司七段‐後手森内俊之八段;第24期棋王戦五番勝負第3局―銀取り放置25手 先手羽生善治棋王‐後手佐藤康光名人;第57期名人戦七番勝負第6局―迫力の逆転、気力の再逆転 先手佐藤康光名人‐後手谷川浩司九段 ほか)
第3部 平成21年~31年(第50期王位戦七番勝負第7局―またも号外!大逆転再び 先手深浦康市王位‐後手木村一基八段;第68期順位戦C級2組9回戦千日手指し直し局―ベテランの置き土産 先手児玉孝一七段‐後手金井恒太四段;第59期王将戦七番勝負第6局―二冠への連続限定合 先手羽生善治王将‐後手久保利明棋王 ほか)