内容説明
将棋界に確かな足跡を刻んだ棋士15人。将棋に懸けた天才たちの人生を、鮮やかに描き出す。
目次
第1章 大山康晴の時代(大山康晴―勝負に徹した巨人;山田道美その1 大山の厚い壁 ほか)
第2章 特別書き下ろし(真部一男その1 孤高の棋士;真部一男その2 敗北の美学 ほか)
第3章 将棋界を支えた棋士たち(高柳敏夫その1 棋界一の名門;高柳敏夫その2 正常なる異常 ほか)
第4章 現役棋士を語る(森〓(けい)二―剃髪の名人戦
南芳一―無口な男の謎 ほか)
第5章 我が師(小堀清一―将棋学徒の泪)
著者等紹介
河口俊彦[カワグチトシヒコ]
1936年11月23日生まれ。神奈川県横須賀市出身。1951年6級で(故)小堀清一九段門。1966年10月四段。2000年4月七段。2002年3月、現役引退。将棋大賞は2004年度、東京記者会賞。順位戦ではC級1組に19期在籍。現役棋士時代から将棋観戦記やエッセイなどの著述活動で知られる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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R
25
昭和、戦前戦後にかけて活躍した棋士をはじめ、様々な天才たちの人となりが書かれた本でした。にわか将棋好きとしては、大山名人をはじめとする昭和の棋士という姿を教えてくれる内容に満足。盤外戦を含めた、泥臭いというか、ある種の闇とも呼びたい側面をきっちりと描いていて面白かった。将棋を純粋に楽しみたいとも思うけど、AI戦では見られない人間ならではの駆け引きなんかが生き生きとしていた時代というものに、憧れめいたものを見たように思います。2017/12/11
プレミアムモルツ
6
将棋指しに抱くイメージといえば天才・奇人・変人、それに唯我独尊。本書を読めばそう的外れではないことが分る。将棋で勝敗を分けるのは悪手。悪手が少ない、相手の握手は的確にとがめる、そういう棋士が強い。大山や羽生のように。とはいえどんな棋士にも悪手はつきもので、最後に悪手を指した者が負ける。ということで最後の悪手ならぬ最後の握手がタイトルに相成ったと推察。2016/03/08
大典太
4
絶対的な第一人者の地位を守り続けるために大山康晴の非情なやり方、将来の名人と見込んだ愛弟子芹沢・中原を育成する高柳敏夫の手法、A級20期以上の実績がありながらC2に降級しても指し続ける丸田祐三の生き方、それとは対照的にC級で指すことをよしとせず、引退してしまう原田泰夫などなど私的には非常に楽しめるエピソードが満載でした。 原田先生は死に際すらも折り目正しく、実に見事!! 読み進めていってタイトルの意味がわかった時はちとウルっときてしまいました。(T_T)2014/02/12
kokada_jnet
3
題名の「最後の握手」は、山田九段の絶局の対大山戦での「和解」を意味しているのかな。強引な感じが…。 名人戦騒動の主役が、O八段だったことは、この本で初めて知った。この人しか語れない、知られざるエピドードの数々。2014/03/25
mononofu
3
全編を貫くのは天才とは強烈な個性であるということだ。繰り返される優等生というだけでは真の強さではないという部分は頷かされる部分が多い。若い頃の大口はむしろ歓迎すべきことであり、事実その後の名人となる人物は己の道を若い頃から他者に迎合するすることなく進んでいるのは歴史的事実である。完全情報ゲームには偶然が関与しないという点において完全実力主義であるが、そこに人間の個性をむしろ感ずるという点が将棋の魅力的な部分である。2014/01/28
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