内容説明
本書は米長永世棋聖が「私の終盤の考え方を余すところなく述べた」名著。ひとたび読めば、その恐るべき終盤力、洞察力、人間力から多くを学び取ることができるはずです。
目次
第1章 詰将棋を解く
第2章 逆転の心得
第3章 逆転の秘手『米長玉』
第4章 逆転術・駒落編
第5章 逆転術・平手編
第6章 逆転術・総まとめ
著者等紹介
米長邦雄[ヨネナガクニオ]
昭和18年6月10日、山梨県増穂町の生まれ。31年、6級で(故)佐瀬勇次名誉九段門。38年4月四段。54年4月九段。平成10年5月永世棋聖に就位。15年12月引退。15年紫綬褒章受章。17年から日本将棋連盟会長を務める。24年12月18日、現役会長のまま死去。享年69歳。25年、旭日小綬章を受章。タイトル戦登場は48回、獲得は名人1、十段2、王位1、棋王5、王将3、棋聖7の合計19期。生涯成績は1103勝800敗1持将棋(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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根室
1
ところどころ米長流のウィットがあって、普通の読みものとしても楽しめました。不意に加藤さんが出てくると噴いてしまいます。 終盤の本ですが図面が割と多めにあって、難しい本にはよく置いてきぼりをくらう私でも、挫折なしに一読できました。読みの深さと相手の心を読む力が、米長さんの強みなんだなと感じました。2013/07/03
kinaba
0
面白かった。渋い。「盤面を見回したところ、どうも相手よりいいところというのがなさそうだった。それで記録用紙をのぞき込んでみたが、そうするとあった。」お互い最善手を指し続けたら負けることを読み切った上で、相手の顔を見、残り時間を見、はなばなしく散ろうとせずじっと手数を伸ばして耐えて紛れを伺う。曲者の名戦記集である。あと、例題や実戦例としていくつか載っている詰将棋、古典からの引用ももちろん含めて、めちゃめちゃ良い問題ばかりだ2014/06/08
ともあむ
0
盤面以外での逆転への導き方を教えてくれる一冊。人間同士ならではの指針です。苦しいときには女になれなど今の時代で考えるといささか不適切かもしれない表現も多少は存在するものの、それがまた米長先生の生きた軌跡。巻末の”比較的短い”将棋図巧・無双は暇なときに解いてみると楽しいです。2013/09/27